第24話 手長族
「登録しない。」
一応悩んではみたが、やはり魅力を感じなかった。その最たる理由としては、手長の長がすでに死亡していることで、軍としての登録ができないことだろう。数と規律を武器とするモンスターにとっては大きすぎる欠点だ。
登録しないかつ情報を得る場合、自動でモンスターは殺害され、情報が取得される。それが単独か少数のモンスターであれば、ジョーカーから飛び出るのは拳銃、リボルバーだった。しかし今回のような多数のモンスターの場合。そこからは機関銃が飛び出すらしい。さほど重要とも思えない新発見であった。
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種族名:手長の長(52属)
カテゴリ:【未死種(4)】【王種♂(K)】
・怠慢もまた王の本質
能動的な行動が不可能になる。移動から食事、戦闘に至るまで、その全ては自身の有するモンスターに依存する。
・王の錫杖
その手に持つ錫杖がある限り、自身の有する全モンスターに対し、同時に命令を発することができる。その命令はたとえいくら距離が離れていようと有効である。
・王権の主張
王種に固有。自身に支配可能なモンスターを支配する。手長の長であれば、手長族モンスターのみ。
・王の遺言
自身の支配していない生物が原因で死亡したとき、遺言たる叫喚を発する。その叫びは、王の死は配下の死であるというエゴの体現であり、その叫喚を聞いたものは尽く能動的行動および能力を停止させられる。
*手長の長
手長族の全てを支配するモンスター。手長の部隊長が長を殺すことで誕生する。オスもメスも存在するが、メスが長となることは非常に稀である。極端に衰弱した足が、その手の長さを際立たせる。彼、もしくは彼女を討伐したくば、その軍勢を相手どれるだけの戦力を整えるか、隙を窺って錫杖を奪う、一撃で殺すなどが考えられるが、その手段は非常に限定的である。また、錫杖を奪って殺害した場合、遺言を聞いていない配下の討伐が必要となるため、注意が必要である。
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種族名:手長の部隊長(44属)
カテゴリ:【未死種(4)】【兵種(J)】
・部隊長
自身の部隊に属するもののうち、最も多数であるモンスターが持つ能力をすべて使用可能。
・四肢であり脳
命令を一切の誤差なく受け取る。与える命令を一切の誤差なく伝える。
・能動的行動
支配を受けたとき、最終的な意思決定の権利だけは自身に保有し続ける。
*手長の部隊長
手長族のうち、長に認められた者のみが昇華する位である。彼らには能動的な行動が許されており、これは信頼の表れであり、長が完全でないために必要な役割である。
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種族名:手長の戦闘兵(44属)
カテゴリ:【未死種(4)】【兵種(J)】
・戦闘こそ矜持
個体につき一つ、驚異的な戦闘能力を持つ武器がある。それは、誕生後初めて持った武器である。
・体は資本
戦闘時、全身の筋力に補正がかかる。
・戦闘狂(稀)
戦闘中、一切の命令が効力を失う。
*手長の戦闘兵
手長族の大多数を占めるモンスター。それが武器は誕生後に初めて持った武器であるため、手長族の文明の発展に伴い、その戦闘力が上昇する。稀に、戦闘中に一歳の命令を無視する、戦闘狂という個体が現れる。
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種族名:手長の雑用兵(44属)
カテゴリ:【未死種(4)】【兵種(J)】
・我、雑傭兵なり
誕生後、長の求める役割に応じた能力に変化する。それは解体に特化したものから掃除、料理に特化したものまで多岐に渡り、その種類の多さは手長族全体の文明の発展度に強い相関を持つ。
*手長の雑用兵
軍事行動以外のすべての雑務を請け負う。この個体が多いほどその手長族は安全な環境を確保しているということであり、その種類が多いほどその文明は発達している。
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種族名:手長の治療兵(44属)
カテゴリ:【未死種(4)】【兵種(J)】
・緊急回復
長の命令を受けたとき、その命と引き換えに対象の個体の怪我、病、状態異常などの全てを回復し、健康な状態にする。
・不急回復
徐々に対象を回復させる。これは、病、状態異常、怪我のうち一分野に限られる。また、同時に三体まで回復可能。複数体で回復をしてもその速度は変化しない。
*手長の回復兵
手長族に稀に誕生する希少な種。自身が一切の戦闘能力を持たないため、誕生した手長の環境次第ではすぐに死亡する。このことも、この種を希少たらしめる一因である。
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種族名:手長の工作兵(44属)
カテゴリ:【未死種(4)】【兵種(J)】
・地産地消
その環境にあるもので最適な罠を作成する。
・工作兵の覚悟
死亡時、その死体は罠となり、付近に生物が接近すると爆発する。
・不完全完全記憶
自身の設置した罠の位置、情報を死ぬまで完全に記憶する。
*手長の工作兵
手長族のうち、罠の作成や拠点の防衛機能の作成を担当する。優秀な個体が存在する手長族は、難攻不落の拠点を持つこととなるだろう。
―――――あとがき
新年あけましておめでとうございます。皆様にとって今年が良い一年となる、その要因となれるよう、私も努力していきます。
追記になりますが、第19話にて、手長の斥候を斥候の属表記を追加しました。物語には何の影響もないと思いますが、一応。では、また明日。
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