第16話 登録番号00000
この世界で、二番目に
しかしこの麒麟児は、その足に枷を受けていた。多大なる金銭を給料として受け取る代わりに科学者である己を売り払った彼女は、与えられたその部屋でため息をつく。
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【
・
その視界にあるあらゆる物ごとに対し、単位を指定することで数値を得る。
・
この世界のあらゆる現象を記述する数式を仮想的に導入し、そこに数値を代入する。正しく数値を入力すれば、その数式は正しく世界の形を記す。
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この
その後、彼女はそれを報告した。ともにダンジョンへと赴いた研究者に、軍人に、そして国家に。しばらくして、国で最も権威ある研究施設に召喚された彼女は、そこで数多の機器に接続され、
いくつもの現象を対象にして、
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そのまま彼女は、流されるようにその研究所と、ひいてはその研究所を運営する国家と契約を交わした。自由がなくなると、その事実はわかっていたが、このプロジェクトの価値について、科学者として熱弁されれば、軽くあしらうことなど彼女には出来そうもなかった。そうして、麒麟はその足を奪われた。
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そして今、ふと、意図せずして部屋に閉じ込められた蠅を見て、彼女は思った。この部屋の全てを、私は見ることができる。ならば、この部屋が永遠に密室であるという仮定の下でならば、蠅の未来すら予測できるのではないか、と。それは、ラプラスの悪魔という思考実験から着想を得たアイデア。不確定性理論によって否定されたそのアイデアが彼女によって肯定されるのであれば、つまり、彼女の
部屋をぐるっと見渡し、そして最後に蠅を凝視し、
『アクションを確認しました。このアクションに対し、能力者の現在の演算能力に大幅な不足が確認されます。アクション終了までの予想時間は30,000,000秒オーバーです。』
―――――あとがき
今回は、主人公回ではないため短めです。なので、14時ごろにもう一話投稿予定です。
一年は365日あり、一日は24時間、一時間は60分で、一分は60秒です。つまり、一年は閏年を考慮しなければ365×24×60×60秒あり、その値はおおよそ31,500,000です。
ステラは、世界の声が流れたときにはすでに意識を失っています。そのため、これまでも聞こえていたであろう世界の声を、彼女は能力獲得時以外に聞いてはいません。
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