挿入文書2:ネットの掃き溜めブルース‼︎

ネットの掃き溜めブルース‼︎

         

               管理人:重曹星人


 ううううっ!イェーーーーーーーッ‼︎


 ネットの掃き溜めブルースだ! え? ブルースってノリじゃない?

 夜柝市のノリに合わせているのさ。だろう? ジョン・リー・フッカー?

 今回は目ぼしい事件が少ないから、過去の事件も取り扱ってるぜ! 夜柝市のブルージーな過去に咽び泣け!!!


 あ、あと、今回の『オイタンマン』は自信作だからさ、記事は見ずともそっちはしっかり見てくれよな。重曹星人との約束だ! (*^ω^*)b



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①“商売繁盛”! 喧嘩上等!


地方紙:<朝田新聞> 2023年 10月26日


 先日、繁華街西の路地裏にある質屋“商売繁盛”が強盗に襲われた。被害者は店主のジャン・グエン氏65才。犯人による執拗な打撃により、頭部に重度の打撲を負った。現在は意識不明の重体であり夜柝市の大学病院で治療を受けている。

 警察の調べによると、犯人は午後5時過ぎに店内に侵入し、口論の後、店主が発砲。この時、店主の所有する散弾銃には違法改造がなされていた。犯人は如何様にかこれを回避し、店主に向け暴行を加えた。

 店内には監視カメラが無く、警察の発表は現場の状況からの推測である。犯人の人相はまだ判明しておらず、周囲の聞き込みでも成果は上がっていないようだ。


[管理人tips]

 “商売繁盛”に押し入ったのはドミノスポットではないか、と噂されているけど、実際どうなんだろうね? クラッキングしてみようと思ったけど、あの店にはExcelの入ったラップトップすらないから無理だったお......_:(´ཀ`」 ∠):

 正直、質屋なんて恨まれまくりの仕事だから誰がやったかなんてよくわからんぜよm9(*^ω^*)



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③景心立教会の学会活動出来るじゃない!


地方紙:<朝田新聞> 2023年10月26日


 夜柝市に拠点を置く宗教法人『景心立教会』が、十年前に起こった本部全焼事件の慰霊式典を催した。式典には数の多くの信者が参列し、犠牲者を弔った。

 4代目教主の弘徳阿良元氏は式典に置いて以下のように語った。

『あれは不幸な事故では無かった。そのように片付けていいものでは全く無い。あの事件は悪魔の手によって故意に引き起こされたものである。夜柝市に潜む悪徳の影によって隠されているが、あれは間違いなく悪魔の手によるものだ。奴はバフォメットでもピーでも、なんとでも呼べる。確実な事は、奴は人類悪であるということだ』と述べた。

 過激で神秘的な言動が目立つ弘徳氏であるが、氏の説法は卓越しており、特にインターネット上の配信サイトにおいて大きな影響力を持っている。

 事件後、信者数も減少し、事業の規模も縮小していた景心立教会であるが、その再建を実現したのは弘徳氏である。その為、信者からの信頼は厚い。


[管理人tips]

 あんまり下手言うと此処も炎上するから言わんけど、景心立教会の学会活動はヤバいんじゃよ。こう...頭がパーンッとなるオクスリ作ってるって話もあるくさいぞ。

 阿良元大先生の教えのおかげじゃ〜m9(*^ω^*)(炎上不可避)



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④live ware書類盗難事件について(二十年以上前の記事を掘り起こしていくスタイル)

  

地方紙:<朝田新聞> 2000年1月5日


 先日、大手金融企業“live ware”の書類が盗難された。犯人は三十代の男性で、身元はまだわかっていない。書類に記載されていた内容は公表されていないが、ALSECや警察はこの事件を甚だしく重要視している。



[管理人tips]

 この古い記事を見てくれ。この記事はゲロヤバ級に重大だっていうのに、朝田新聞の事件欄で名刺程のサイズでしかしか取り上げられなかった。明らかに圧力がかかってる。

 この事件は単なる保険会社に阿呆な空巣が入った、なんて言い方で片付けられるもんじゃないんだ。何故なら、live wareは夜柝市の心臓部として生まれた特殊な企業だから。あそこはアンタッチャブルなんだ。冗談抜きで。


 live wareの特殊性を列挙すると次のようになる。

 第一に、live wareは企業連合会の直轄で運営されているという事。その株式は連合会議員が等分して保有していて、これは三十年以上変わらない形式化したシステムになってる。これだけでもどれだけあの自称保険会社がヤバいかわかるだろう。マジに、この街の心臓なんだ。

 第二に、あの会社は保険業以外にも人材派遣も行なっている。正確には、“派遣”ではなく“管理”だ。夜柝市の人事はほぼあの会社の中で完結している。

 市場を独占してるからな、総合的に管理して、クソを垂れる時は皆んな一緒にって事だ。お互いに絞首台の荒縄を首に掛け合っているのさ。

 

 そんなとこから書類を盗み出すという事が、どういうことか理解できるだろうか? モチの論、俺にはできない。当たり前だよな。馬鹿馬鹿しすぎて想像もつかねぇよ。はあ....(*^ω^*)p



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連載小説:『オイタンマン』


第二話:『イカれたスマイリー』


積まれた札束。ビニールに包まれたクリーニング済みの現ナマ。血とヤクの匂いは全くしない洗浄済みの金。そして、フルフェイスヘルメットを被った男。メットが黄色く塗られ、黒のインキでニコちゃんマークが描かれていた。背負うリュックもスマイリー柄だ。彼の名もスマイリーだ。


 スマイリーは胸を弾ませながら、クリーニング店の地下を歩いていた。タックス・マンズ傘下のこの店は、現金の梱包と収納のために使われていた。

 スマイリーは手近にあった包みを引き裂き、頭上へ撒き散らした。金の雨が降った。スマイリーは雨の中で歌った。


「シーンギング イーン ザ レインッ!」


 積まれた金の山を蹴飛ばした。札が舞った。最高の気分だ。好きな映画の二つを体現している。『レインメーカー』・『時計仕掛けのオレンジ』。金の雨の中で歌うのだ。

 ホルスターから二丁のTEC9を抜き放つ。両腕を交差させるように構える。メットの中で笑った。

 銃口の先、金の山の奥。両開きの鉄扉が跳ね開く。

 9mm弾にファイアピンが打ち付けられる。連続する閃光。発砲音。飛び散る薬莢。分間500発の連射力。雪崩れ込んできた男達を血煙に変える。マガジンを撃ち尽くす。


「ヒューッ! コレ、サイコー!」


 メットが弾丸を弾いた。スマイリーはフラックジャケットに被弾しながら倒れ込み、金の山に隠れた。

 頭上を銃弾が過ぎて行く。餓鬼のようなタワゴトのお返しは銃弾の嵐。遅れ遊ばせ雪崩れ込んできた男達による飽和攻撃。五丁のKG9から放たれる9mm弾は、スマイリーの飛び込んだ札束のブロックを塵にしてゆく。

 スマイリーは情けなく隣の山へと這いずった。片手間でリュックサックのジッパーを開けた。こうも広いとは。TEC9で狙う距離ではない。

 TEC9をホルスターへしまい、代わりの獲物をリュックサックから取り出す。GM−94。ポンプアクション式のグレネードランチャー。トラップドアを開け、薬室を覗く。40mmグレネード弾の頼もしいシルエット。

 インクで描かれたスマイリーの笑みがメットの下の素顔と重なる。


「おい、あのムカつく笑顔野郎は何処に行った! やったか⁉︎」


 銃声は止み、怒号が響く。スマイリーは折り畳みストックを展げる。


「レインメーカーだぜ、クソ野郎!」


 びっくり箱よろしく身を乗り出すスマイリー。集団のど真ん中に向け擲弾を撃ち込む。爆音。ポンプする。デカイ薬莢が落ちる。撃つ。流れ作業で全弾ぶち込む。

 吹き荒ぶ爆風。燃え散る札束。消し飛んでゆく死体の山。全てがド派手。スマイリー流。

 スマイリーは銃口を下ろした。口笛を吹いた。ヒューッ。

 GM−94をリュックサックのカラビナに引っ掛け、再びホルスターからTEC9を抜いた。マガジンを差し替え、上面に突き出たコッキングレバーを引き薬室に弾を送り込んだ。

 金の山を縫うように男達の出てきた鉄扉へ向かう。通路奥から息遣いが聞こえる気がする。5メートルも離れていない。通路へ顔を突き出した。


 通路は閃光に満たされる。待ち構えていた男達の銃弾が間抜けなメットへ叩き込まれる。彼らの反応速度はニコちゃんマークへの生理的苛立ちによって増強されていた。

 しかし、彼等のスマイリーをぐちゃぐちゃの肉塊にする算段は裏切られた。9mm弾や5.7mmは悉く間抜け面に弾かれ、笑い物にされた。

 扉の陰からTEC9の銃口が顔を出す。


「天国への駄賃だ。小銭しかないけど受け取ってくれよ。な?」


 スマイリーは笑って引き金を引いた。再び閃光が通路を満たした。血煙が充満し、絶叫が響き渡った。スマイリーは大笑いした。

 更にもう一丁を引き抜き、死体に撃ち込んだ。五十発全弾。男達は床に身体を擦り付け、酷い死の舞踏を踊った。


「『俺達に明日は無い』に対して失礼だぜ、それじゃあ死の舞踏じゃなくって床◯ナだ。」


 スマイリーはマガジンを入れ替えながら言った。

 その時、背後から声が掛かった。


「テメェにも明日はねぇよ。地獄でLOVE&PEACEを学ばせてやる。」


 スマイリーは背後を振り返った。


「て、テメェは!」


 よれよれのデニムジャケット。グラサン。無精髭。ダサいTシャツ!そう、オイタンマンだ!

 オイタンマンはハードボーラーを構え、言った。


「顰めっ面に描き換えてやるよ。45口径の黒い孔でな!」


       

        次回!『愛と平和を』(*^ω^*)ノシ


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