金星人

@Y_words

prologue

私は日々、地球の大気を巡っている。

この星に辿り着いたのはたった50年前。我々の寿命からするとまばたきのような時間だよ。


君には想像がつかないだろうが、私はこの星が砂だらけだった頃から生きている。

私の先輩はこの星が生まれる前から生きていたし、これでも結構若い方なんだ。だから、仙人だとか、神だとか、そういう呼び名は心外だなあ。


若さを言い訳にするつもりは無いけどね、私はまだこの星の道理が分かっていないんだ。やはり50年ほどじゃまだ観察が足りないのかな、日々謎が増えるばかりで、何も分かった気がしないんだ。


それでね、今度あったら君に聞いてみようと思った不思議な事があった。

とても美しい光景だった。あれが一体なんだったのか、教えて欲しい。

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