初めて恋を知った日
桐壺 艶太郎
あいつ今頃どこでどうしてどんな男といるんだろ
夏
近所の子らが集まって花火というのは
親公認で夜遊びの許される特別な日。
花火の楽しさとは
花火の炎の儚い美しさよりも
夜遊び、「イケない火遊びをしてる」
その罪悪感にこそ秘められているのかも知れない。
まだ、幼稚園にも行ってなかった頃の遠い記憶
当時は我が家も貧しく、長屋暮らしだった。
その日、なぜか長屋のおかあさん連中は
はしゃいで遊ぶ子供たちに夜遅くまで寛容で
花火の後の夜遊びを許していた。
細かいところは既に覚えていないが
ふと気づくと
二つか三つ年上の
憧れのおねえちゃん、みさきちゃんと二人で
寄り添うように座っていた。
しばらく時間が経ち
いつのまにやら僕は
みさきちゃんに抱きついていた。
しがみつく僕を
みさきちゃんは拒むことなく
受け入れてくれた。
みさきちゃんも僕にダッコを返してくれた。
もうね、たまらない緊張というか、ワクワクと言うか、エロエロと言うか、お分かりいただけますか、この感覚。わかるでしょうね、皆さま方、みんな大人ですもの。
未熟者の
真夏の夜のこと、二人とも薄着で、肌は汗ばんで
抱きついても汗がベトベトする。
そんな不快なはずのことも、この上ない気持ち良さだった。
それでふと思い立ち、みさきちゃんの肩の辺りの汗を
ペロッと舐めてみたくなった僕は
勇気を振り絞ってかどうか、その辺の記憶も定かでないけど
みさきちゃんの、
肩と脇の間あたりをペロリと舐めちゃいました。
あぁ、塩辛かった。
みさきちゃんも、僕の首筋をペロと舐めてくれたんだったかなぁ。
みさきちゃんの塩辛さが
なぜかとってもおいしかった。
嗚呼、なんて気持ちいいんだ。今夜はオシッコしないで眠ろうか。
なぜこんなものがおいしいのか、大人の皆様方なら容易に理解いただけましょう。 花火、火遊び、夜遊びに夢中になっていた、そんな幼児たちも、やがて皆一様に大人になって、更に本格的な大人の遊びを覚えていくのです。大人の遊びは本格的になり、汗の塩辛さを楽しむだけでは飽き足らず、もっとスゴいことを平気で楽しむように成長していくわけです。
(・)(・)を揉んで揉まれて、/\*/\を赤黒い肉棒で突いたり突かれたりね。
みさきちゃん、もう苗字を忘れちゃったな。多分、当時とは違う苗字になって、どこかで生きているんだろうけどね。
あいつ今頃
どこでどうして
どんな男といるんだろ
(加藤登紀子詞:「時代おくれの酒場」より)
どこからともなく脳裡にBGMに流れてきちゃったり、ねっ。
ねっ、人生 長くなると、何か思い出す度に「時代おくれの酒場」が流れちゃう。そんなことはありませんかぁ~?
みさきちゃんにもう一度逢ってみたいなあ。
肩と脇の間辺りの汗をペロッとしたくなる、そんな女性で居続けてくれてるかどうか。・・・・もちろん分かりませんが。
五月雨をあつめて早し最上川(芭蕉)
体液を舐め上げ硬し白オクラ(一茶)
初めて恋を知った日 桐壺 艶太郎 @enntaro
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