第11話

 なんとか五階まで階段を登りきって一番端の教室まで行く。階段だけでもしんどいのに、そのうえ一番端の教室とかチャイムギリギリに学校についたら遅刻確定。

 教室に入って自分の席まで行く。席につくまでにすれ違うクラスの子に笑顔で挨拶。

「おはよう!」

「おはよう、花ちゃん」

「おはよー」

 笑顔で挨拶したらみんな笑顔で返してくれる。クラスには、小さなグループが何個もあるけど私はグループとか気にせしないで仲良くしたいなって思ってる。でも、マンガとかドラマとかにあるようなカースト制度とかはないからまぁ、いいかなって。


 私の席は前から3列目一番窓側の席。扇風機が直ぐ側の柱の上についてて夏はめっちゃ快適。一年のときは男子と扇風機の取り合いをしてた。その子はめっちゃ扇風機を固定したがる子で。私は回したい派。みんなが涼しい方がいいなぁとか考えちゃうから。しかも、みんな回せ回せってうるさいし。

 周りの席の人はほんとにいい人ばっか。前は野球部の人後ろも野球部、隣も野球部かと思いきや剣道部。男女が交互になるような席にされてる。好きなように座らせてくれたらいいのに。

 私が物思いに吹けていると、

「おはよう、西園寺。ボーッとしてるけどしんどいん?それとも、まだ寝てる?」

前の席の野球部の健太が来てたみたい。言葉では心配してるみたいやけど、めっちゃ笑ってます。失礼だな。

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物語のようで物語じゃない話※これは小説です 本の花 @honnohana

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