第2話 魔の森到着

「ソフィー、人数も増えたし、チビたちも居るから馬車買ってきた。」


「おお、助かるバルバドス。」


 私たちなら歩きでもいいが流石に小さい子供も一緒なのに歩きで行くのは無理があるしな。


「何だ。バルバドス、馬車を調達してきましたのね。

 私かソフィーが転移魔法使えば直ぐじゃないのよ。」


「それに出国記録が残って面倒だぞ。」


「そうだがよ。国の仕事や俺たちは冒険者登録もしているから外に出たことがあるが、チビたちは王都から出たことないだろうから旅を楽しんでもらいたくってよ。」


「相変わらずバルバドスは優しいな。

 確かに途中で魔物が出たり、野党が出たりするかもしれないけど、そういうのも旅の醍醐味ですからね。私たちが居れば問題ないですしね。」


「いやいや、魔物や野党が出るのを旅の醍醐味だと言ってのけるのは、ソフィーくらいですわよ。」


 そうかな?私たちなら問題ないし、魔物や野党はよく出るから醍醐味みたいなものだと思うけどな。


「そうだぞ。魔の森に着いたら嫌でも魔物の相手をある程度しなければならないのだ。

 体力も魔力も温存しておくにこしたことはない。」


 まあ、そういうことにしておきますかね。

 魔物を倒すのが面倒なら彼らに魔の森の入り口に迎えに来てもらいましょうかね。

 そうすれば魔物も本能的に近づいてきませんからね。


「じゃあ、魔の森の入り口までシロたちの誰かに迎えに来てもらいましょうか。

 そうすれば魔物も近づいてきませんからね。」


「それはいいですわね。でも四聖獣であるフェンリルにシロなって名前つけて威厳もへったくれもないわね。」


「いいじゃないですか。かわいい名前で、それに本人も気に入ってますからね。」


 あの真っ白なモフモフの毛並みを見れば誰だってメロメロですし、シロって可愛い名前じゃないですか。


「お姉様、シロちゃんって四聖獣のフェンリルだったのですか?それにシロちゃん以外にも契約しているのですか?」


「そうよ。言ってなかったかしら?」


「聞いてません。小さくて可愛いホワイトウルフの子供だと思ってました。」


「ああ、王都に呼ぶときは小さくなってもらっているのよ。他の子達については会ってのお楽しみね。」


「はい。楽しみにしてます。予想はつきますけど……」


 最後にマリアベルがなんか言ったけど聞き取れませんでした。

 まあ、楽しみにしているみたいなのでいいでしょう。


「じゃあ、出発するか。」


 そして、馬車に乗り込み、バルバドスが御者として手綱を握り、門で冒険者としての依頼という体で王都を出る手続きをした。

 国境から出るときには、兄弟で旅行ということにして門を通過し、出国した。

 まあ、嘘がバレてもこの国には戻ることもないし問題ない。


「もうすぐ魔の森に到着するけど、魔物も野党も出ないわね。」


「それを楽しみにしていたソフィーとしては残念だろうけど、他の皆はラッキーだと思っていると思うぞ。」


「じゃあ、シロたちに入り口に誰か来るように頼んでおくわね。」


 そうして私はシロに念話で入り口に誰か迎えに来てくれと頼んだ。

 そして魔の森の入り口に近づくと


「あら、三頭いるわね。オニキス以外は来たのね。」


【シロ、紅、ラピスが来たのね。オニキスはどうしたの?】


【オニキスは森の最深部で待っているよ。】


【そうなのね。迎えに来てくれてありがとう。】


【【【どういたしまして】】】


【皆を紹介するわね。私たちもこれから森で一緒に暮らすからね。】


【【【やった~】】】


「シロは会ったことある人もいるだろうけど、私の妹のマリアベルと弟のクワトロ、バルバドスにバルバドスの弟のマッド、アメリアにアメリアの弟のマーロン、カイルにカイルの双子の妹のミーシャとアイシャよ。」


『よろしく(お願います)』


「そしてフェンリルのシロ、フェニックスの紅、エルダーブルードラゴンのラピスよ。後で紹介するけどあとダークスネークトータスのオニキスがいるわ。」


【よろしく(ね)】


「やはり、お姉様が契約しているのは四聖獣様だったのですね。」


「そうよ。じゃあ行きましょうか。住む家も造らないといけませんしね。」


 そして私たちは乗ってきた馬車をアメリアが空間収納に仕舞い、小型化したラピスが先頭に紅は小型化して私の肩にシロは通常の大きさのまま私たち後ろから着いてくる感じで魔の森の中に入っていった。

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公爵令嬢は偽物により 紅 蓮也 @-T2Ya-

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