第11話 依頼

穏やかな昼下がりの午後。

森園住んでいるアパートの窓から

心地よい雀の鳴き声がチュンチュンと聴こえてくる。

ジャックダニエルを舌で転がしながらコヒーバの紫煙を堪能していた。

ふと思い出したかのように端末を操作し、ある人物に電話を掛けた。

20秒ほどコールして相手に繋がった。

森園だが覚えてるか?

ああ、あんたか。勿論覚えてるよ。どうかしたか?

実はあんたに仕事を頼みたいんだが今動けるかな?

そうだな。二、三日したら今やってる仕事が片付くからそれ以降なら問題ない。

どんな仕事だね?

久しぶりに歯ごたえのある依頼が来てね。色々考えている所なんだが。

中々一人で解決って訳にはいかなそうなので爺さんに連絡したんだが

詳細は会って教えるから、そうだな、三日後に又連絡を入れるから

よろしく頼む。

わかった。その口ぶりからするといい報酬が見込めそうだな。

ああ期待してもらって構わない。俺自身金などどうでもいい。

根こそぎ渡すよ。

はははっ!あんたのそういうとこ好きだよ。じゃ、連絡待ってる。

そこで爺さんへの電話は切った。

森園が体感するソレに比べれば金など何の価値も持たない。

ただ如何に森園といえど物理的なスイッチを入れてやらなければ

動かせないのは少しばかり面倒だが。

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泥酔探偵 石川タプナード雨郎 @kingcrimson1976

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