家康、手紙を寄越す!!

高遠 彬

家康、手紙を寄越す!!

送り主:松平家9代当主徳川家康


 吾輩は松平家9代当主徳川家康である。


 私からいきなり手紙が届いたことに、さぞ驚かれていると思うが、これにも訳がある。お主は、未来から来た者であると、家臣から聞いておる。


 そこで、お主に是非、我に使える預言者となって欲しいのだが、いかがか。

いきなり過去に来たもんで、多少の困惑もあることと存ずるが、私に仕え、手柄を立てた時には多大な褒美を遣わすことをここに約束しよう。

お主も馴染みのない土地で困っていることに違いない。

その褒美を持ってすれば、未来へ帰ることも叶うかも知れぬぞ。

是非、承諾いただきたい。それも、早急に。


 実を言うと、私は今、関ヶ原で陣を構えておる。相手は石田三成、大谷吉継、小早川秀秋ら西軍であるが、ここ三日は暫く睨み合いが続いておるのじゃ。それも、この三日目はなんだか、奴らの目つきが鋭いような気がして、なんだか不気味であるように感じる。


 かような事情、把握していただけただろうか。この手紙を読み終わった時、我が家来、三十郎が関ヶ原までの護衛役として其方へ参る。三十郎は忍びの者であるが故、少々、手荒いこともあるかも知れぬが、それはお主の身を護る手段に過ぎぬ。あまり、気になさらぬように。三十郎は広い笠帽子を被っている。


 道中、敵の忍びが潜んでいるかも知れぬから、人目に付く場所は避けるように。それでは、お主からの吉報を心待ちにしている。


P.S. 馬は一頭しかいないから、相乗りになる。

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家康、手紙を寄越す!! 高遠 彬 @Takoyakipan

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