本作は自己愛性パーソナリティ障害を患った筆者が人生を振り返るエッセイです。
これは希有です。なぜか。
自己愛性パーソナリティ障害の病理、ナルシシズムに侵された人間が、真っ先に失う心の機能が、自省だからです。
世に自己愛性パーソナリティ障害を患う人は多いです。彼らは自分の行いの意味を知らず傍若無人に振る舞います。自らの内面を、自分勝手にわめくことはできても、他人と共有できるよう言葉にすることができません。
筆者は、その難しいことに挑みました。自分の心にメスを入れて、自ら血を流しながら。
これは、ナルシズムに侵された人間が自省した、希有な記録です。