最終回~多肉植物と二十日大根とお家時間

2022年12月31日


 いよいよ、大晦日。「今年の汚れ、今年の内に。」を合言葉に、頑張りましたよ! もちろん大掃除もそうですけれど、ガーデナー最後のお仕事は、外の子達の寒さ対策です。


 といっても、タイミング的にはちょっと遅かったようです。お気に入りのオリヅルランの鉢植えが…どうやら霜がおりてしまったようで、一部の葉が枯れてしまいました。枯れてしまった部分を取り除いて、慌てて室内へ移動。

 お犬様のゲージの上は、日当たりも良く加湿器置き場でもあるため、今ではジャングルか!てなほどにギッシリと観葉植物が置かれております。そこに、オリヅルランも仲間入りして、より一層ワサワサに。

 まあ、どうせお犬様、ゲージに入りませんものね。




【多肉植物】



 簡易温室にビニールをかけ、寒さに弱い多肉様御一行も家の中へ。窓際のワゴンに所狭しと並べられた多肉様達。比較的寒さに強い子ばかりが残っていますが、それでも凍ってしまう時期になれば弱いのが多肉様。


 サボテンは強いのになんで? 棘が毛皮の代わりでもしているのか?


 そんなわけで、家の中はただでさえ観葉植物たちで溢れているのに、そこに多肉御一行様までやってきてしまっては、日の当たる場所は緑のものたちに完全に占領されてしまいます。

 日向ぼっこをご所望のお犬様がそこで肩を落とし、困ったようにこちらを見てくるのですけれどもね。ごめんなさいね。良い場所は、どうしても取り合いになってしまうものですね。


 多肉植物は食べられませんけれども、気が付けばもう○○年も育てております。もう既に私の背を越した子供たちよりも長い年数…そりゃ、年取るはずだわ。

 数を増やして、どこかのお宅にお嫁に出したことも多々。しかし、冬を越すたびにその数を減らし、野菜がメインとなってしまった昨今では、多肉御一行様は少数精鋭部隊へと変貌を遂げました。つまりは、丈夫で可愛い子だけが残っている感じ。やはり、セダム属やセネキオ属が多いかな。


 しかし!外の子達を室内に入れると、必ず現れるのが「あれ」。外で会ってもさほど気にならないのに、室内で出会った瞬間に恐怖の存在になる…虫です。

 今回は、あのオリヅルランに大きめのカメムシがぁぁぁ!カメムシだけはだめ!絶対!だって、臭いんだもん。カメムシだと気づかなくて手で払ってしまった時なんて、丸一日カメムシ臭ですから。

 オリヅルランの鉢植えをそっと玄関に持っていき、外でバサバサと振ってやりましたら、寒空に消えていきましたけれどもね。


 さて、暖房が付いているとはいえ、ほぼ休眠期の緑たち。水遣りもあまり要らないし、肥料などのお世話も植え替えなんてものももっての他。土いじりが好きな人間には、ただただ愛でるだけというさみしい時期です。早く暖かくならないかなぁ。


 暖かくなったら、今年はあれを大きな鉢に植え替えて、空いたその鉢にあれを移植して、そこにあれを移植して…イメージばかりが膨らみます。そんなことをしている内に、家の中がジャングル化してしまったことには気が付かないふり。これ以上大きくしないで…と、家主に頼まれた気もしないではないですが、成長しちゃうんだもん。仕方ない―――よね?




【二十日大根】



 今年最後の収穫は、二十日大根。二十日で育つって言うけど、本当に二十日?絶対もっとかかってる…と、そのネーミングに首を傾げているのは、私だけではないはず!


 綺麗な朱の色は、明日のお節を華やかにしてくれるはず。切り込みを入れれば、中の白が映えてより華やかになるので、お花模様に飾り切りして、酢漬けにします。


 

 緑に囲まれて、今年最後のメニューは年越し蕎麦ならぬ、鍋の〆の年越しうどん。出汁の出切った鍋の汁に、リボベジの豆苗と小葱も入れて、完成!いよいよ今年の台所菜園も店じまいです。


 芋焼酎のお湯割りを飲みながら、あとは除夜の鐘を待つばかり。年が開けたら、大切にとっておいた日本酒開けちゃうよー!


 さてさて、来年は何を育てようかなぁ。




 ―――拙い園芸エッセイも、これにて終了。ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。

 たくさんのコメントもいただきまして、嬉しい限り。どれも楽しく読ませていただきましたよ!


 では皆様、よいお年を。また、どこかでお会いできますように。———林奈






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趣味は園芸。 林奈 @mzmzmz

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