いつも Little Girl

「あー……ここがもうちょっとふわふわしてたら泣き甲斐があるんだけど」

 憎まれ口を叩いたその頭に、思い切り拳を下すと、優は『痛い』とだけ言ってそのまま私の胸で小さく震えた。

 頭一つ分違う身長。

 そのおかげか、優は私のところによく泣きに来る。

 胸の小ささに対して文句を言うのも、それに対して無言で拳を振り下ろすのもいつものことだ。

 そして、こうやってる時に話しかけないことも。

 私の胸がじわじわと温かくなっていくのも、いつもことだ。

 この『いつもこと』が、いつか終わるのかなんて考えをしてしまうのも、いつもことだ。

 だから、ずっと彼女の傍にいたいと思うんだ。

 いつも、いつも。


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