エピローグ だから、今 俯瞰視点(2)

「「だから今、とっても幸せです」」


 窓から差し込む穏やかな月光に照らされながら、立ち止まって見つめ合っていたシリルとベルティーユ。

 そんな2人が取った行動は、またまた一致して――。再びお互いの口元が、柔らかく緩みました。

 

「ベルティーユ。そう感じてくれて、ありがとうございます。……これからも僕は、そんな僕であり続けると誓いますので。これからも、いつまでも、よろしくお願い致します」

「シリル様。そう感じてくださり、ありがとうございます。……私も、そんな私のままで居ると誓います。ですのでこれからも、いつまでも、よろしくお願い致します」


 そうして2人は改めて約束を交わし、月光の中で口づけを交わします。

 ですがその時間は、長くは続かず――。くっついていた唇と唇は3秒ほどで離れ、キスを済ませた2人は再び歩き始めます。


 ベルティーユとシリルにとっては、短めなキス。

 少し早いテンポで行われ始めた、移動。


 それらには2つの理由があって、1つめは移動の途中で止まってしまっていたから。そして2つめは、早く目的地に――夫婦の寝室に、着きたくなったからです。


「ベルティーユ、お恥ずかしい話なのですが――。貴方を愛したくて、仕方がありません」

「こちらも、一致しましたね。……シリル様。私も、愛していただきたくて仕方がありません」


 シリルとベルティーユは仲良く微苦笑を浮かべ、やがて部屋へ到着するとベルティーユはふわりとお姫様抱っこ横抱きにされます。そして瞳と体に熱を帯びた2人はベッドへと消え――


「ベルティーユ。好きです。大好きです」

「シリル様。私も、好き。大好き、です」


 ――その夜その部屋では、沢山の愛が育まれたのでした――。





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婚約者マウントを取ってくる幼馴染の話をしぶしぶ聞いていたら、あることに気が付いてしまいました   柚木ゆず @yuzukiyuzu

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