孤独な少年は闇夜を征く

黒鉛(旧俺は弟二代目)

第1話

2030年、地球は変わってしまった……

化け物が現れ、人々を喰らうようになった。

 それと同時に人々にはスキルが与えられた。

 けど、俺の家族は…… もう……


……………………………………………………

地球が変わった日、俺は友達と遊びに行っていた。

 帰るときまでは何も異変は無かったのだ。だが、家のドアを開けようとした時俺の頭に痛みとも呼べる何かが俺の脳内に入り込んできた。

 そして俺は無意識にトビラの奥へと向かう。凄い嫌な予感がする……


「母さん!! 父さん!! 紗友里!!」俺がそう呼んでも家族は返事をしてはくれなかった。だって……俺の目の前に、無様に切り裂かれた母さんの腹と沙友里の首、そして父さんの骨があったのだから……


「父…さん……母…さん 紗友里……」俺は声にもならない声で泣いた。なんで家族がこんな目に合わないといけないんだ?…


そんな誰も答える事のない疑問はすっと闇夜に消えていく。もうこの場所は静けさを取り戻していた。まるで最初からなかったかのように……


「許さない…… 化け物め……絶対に殺してやる……」そう俺は決意した。

 その時、空から父さんと母さんと紗友里の声が聞こえたような気がした。

 待っていてね、必ず復讐するから………


……………………………………………………


久しぶりに夢を見たな。

 そう俺は呟く。

  地球が変わった日からもう5年が経ち俺は高校生になっている。

 高校生になっても日課の化け物殺しは辞めていない。

 こんなに化け物を殺しても化け物は無数に現れる。終わらないのだ。

 化け物の元凶を潰せれば終わるがそれはとても難しい。俺は今日も化け物を狩る。自分で作った仮面を被って……


俺はまず、河川敷へと向かった。

 ここにはよく化け物が現れる。

ギルドと呼ばれるところで知った。

 そして俺が河川敷について少し経った頃化け物が現れる。化け物は強い。 

 普通の人なら無様に殺されるだけだろう。だが、俺は違う。まずはスキル斬撃で化け物の両足を潰す。

 奴はヒューマンタイプと呼ばれ足があるからそこを潰せば殺せる。両足が潰れた化け物はどうにかして体制を立て直そうと躍起になっている。

そこを俺は狙い連続して

スキル斬撃を発動させる。今度は両腕に……

その痛みで化け物は一瞬怯みまた動こうとする。だがもう終わりだ。俺は最後にスキルを発動させる。

「死ね、殺戮一閃」これが俺のすべて、化け物を殺し、家族の敵を打つための俺の切り札。

 その一撃で化け物は倒れる。化け物を倒した俺はすぐ次の場所へと向かった。

 そしてまた化け物を切り捨てていく。別に戸惑いの心や慈愛の心は持っていない。

 ただあるのは家族を殺した化け物に対する酷い怒り、そして家族が居なくなった事の寂しさだろう。

 

もう、俺が好きだった家族達は戻ってこない。そう思い俺は剣を奮う。

 少しでも俺と同じ目に遭う人を無くす為に……

そして日が昇る。もう化け物は居なくなった。化け物は夜に活発に動き始める。家に帰り俺は少しの仮眠をとった……


……………………………………………………


翌日俺は高校へと向かう。 

 地球に化け物が現れてからは教育機関も姿を変えた。授業内容がスキルについてや化け物についてに変わった。

 そして実習ではダンジョンと呼ばれる簡易的スキル実践所でスキルを使い討伐することを学んだりする。けど俺は高校で成り上がろうとは思っていない。

 俺の5年間の経験を活かせば、裕福な暮らしが確約されるだろう。しかし俺の目的は裕福な暮らしを送ることではない。 

 化け物を殺す…… その為だけに俺は学んでいる。だから、クラスメイトと馴れ合ってる暇はない。


俺が高校へ着くと昇降口に先生達が立っていた。先生達は生徒一人一人に挨拶をしている。危機感が無いな…… そう思い教室へ入って行く。


そして授業が始まり座学が話される。まずは前回の復習からスキルの応用について話された。

 今の世の中は実習で上手くできたら5のような評価だから眠っている人も多数いる。


その中で俺は話している事をメモしていた。

そして終了のチャイムが鳴り、座学の授業は終わりを告げた。


次は実習だ。俺は本気を出さないよう剣技スキルを使って実習に臨む。

 簡易的スキル実践所では最新の技術を使いVRゴブリンが相手として現れる。

 クラスの皆はそれぞれスキルを使い敵を倒していく。そして俺の番、俺は剣技スキルを使い弱めにゴブリンに攻撃をする。

 すると当たり前のように攻撃は止められ反撃される。

 俺はバレないようスキル分散を発動させ、威力を半減させた。そして俺が攻撃してから二十分が経ち遂に先生が終了の合図をだす。俺はスキル回復を発動させ体力を回復するが皆はそれに気付かず俺を差別するような目で見る。

 これはまぁ、いつもと同じ光景だ。俺はその視線に構わないように教室へ戻る。教室には俺を馬鹿にするような言葉が飛び交っていた。


「本当に雑魚だよなぁ? 響」


「弱いゴブリンでさえ、二十分以上かかるんだもんねぇ」


そんな言葉は学校が終わるまで続いた。

 そして学校が終了し俺はある場所へ向かった。学校の階段を2回降りそこの突き当りを真っすぐ歩く。そして着いたこの場所に俺はノックを2回して入っていった。……


「やっと来たな。5分遅れだぞ! 響」俺の師匠は綺麗な髪を束ねてそう言った。


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