ゆるゆる道場のおはなし会シリーズ3 ほんとにほんとの生まれるはなし

@Mochiyama_Mochitaro

ほんとにほんとの生まれるはなし

 そんなに知りたいの? どうしても? そぉお? どうしても? どうしても知りたいのね。そうかぁ・・・・・・、それならしかたがない、ほんとうのことを話そうかな。

 このまえ言ってたアレ、コウノトリデリバリーサービスのはなしね、あれ、実はね、ほんとうのことじゃないんだ。えっ、知ってた? そうか、知ってたのね。う~ん、実は、実はだ。驚いちゃだめだよ。実はね、お父さんが毎朝予行練習をしていたんだけどね、ある朝トイレでもしかしたらって思って、それで、すぅ、すぅ、はぁぁって、そしたらあなたが勢いよ・・・・・・、えっ、そ、そんな、泣くことないじゃん! そんなの絶対にイヤって、そこまで嫌わなくったってぇ・・・・・・。わかった、わかったから、じゃぁほんとにほんとのことを言うよ。

 あなたがはじめて見つかったのはお母さんが検査を受けたときだったんだ。お医者さんがあなたのことを見つけてね、そのときはまだあなたはつぶつぶさんだったんだよ。でもお医者さんが言うには、このままあなたが大きくなったら、お母さんのいのちがなくなってしまうかもしれないから、入院して治さなくちゃいけないって。それでお母さんは入院したのね。そしたら、わたしはお母さんのいのちがなくなってしまうのは嫌だったから、なんとかしようと思って、それで神様にお願いしたの。あなたはお母さんの分身。あなたのことを私がすべて引き受けますから、どうかお母さんのいのちをなくさないでくださいって。ずう~っと心のなかでお願いし続けたのね。そしたら、あなたがお母さんからはなれてわたしのところにやってきたんだ。神様はわたしの願いをきいてくれたんだね。だからわたしはあなたのすべてを引き受けることにしたの。あれ、なんだか不思議そうな顔をしているね。ほんとのことだよ。なに、うたがってるの? ほんとにほんとだよ。え、お母さん? お母さんは元気だよ。会いたいね。きっと会えるよ。じゃぁ、わかったらもう寝なさい。えっ、おはなし? またっ? う~ん、しかたがないなぁ、これでほんっとにおしまいのはなしだよ、言うよ、むかぁしむかし、う○ぎのキックボクサーが・・・・・・。





第一回公開 2021.12.24.-


 この物語はフィクションであり、実在の個人や団体、動物とは一切関係がありません。尚、著作権者の許可なく本書の内容の全てまたは一部をいかなる手段においても複製・転載・流用・転売・複写等することを固く禁じます。

 

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