Last episode
知念聡吏の証言の通り、山奥の小屋の中で宮川宮の遺体が見つかった。損傷が激しくて、正当防衛の範囲を越えているとか世間では騒いでた。
実際、正当防衛でもなんでもないもん。でも、当然自分に有利になるように黙秘権を行使するのだ。
宮川宮の両親は寄生されているということで、隔離されてしまった。当分出てくることはできない。だから私を起訴してくれる宮川宮の親族は存在しない。早くアイツら殺処分されてくれないかなあ。
そんなことを安い食パンを食べながら思う。
私は、知念聡吏は、大学入学と同時に一人暮らしを始めた。パパとの関係がこれ以上ないってくらい悪化して、パパはたまにしか帰ってこないので私としてはあまり気にしてないんだが、たまの帰宅でも居心地が悪いっていうのはパパが可哀そうだ。だから、私が家を出た。
今通ってる大学は朝倉凪紗さんが教授を務めている大学。御迦さんもそうだけど、なんであの人たち捕まらないで済んでるんだ。どうせパパが一枚噛んでるんだろうけど。
今日もスマホの中で寝ている宮川宮に優しくキスをして、部屋を出る。寄生物学、医学を学ぶために、面倒くさいけど頑張る。
いつか、また会える日まで。その日まで、もう少しだけ、知念聡吏のフリを続けようと思う。
imitative parasitism あさねこ @asa_neko
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます