「とっくに勝負ついとるわ。ここにはカハルの味方しかおらん」この台詞がここで来るのいいですね。エモい。これまで読み進めてきて、話の最期が印象的な台詞で切られることが多いような気がするのですが、毎回うまいですね。凄い……。
この台詞より前は「アヲイVSカハルなんて(外野が勝手に言っているだけで)アホらしい」っていう風に読者は捉えることになると思うんですが、ここで、勝手に審判をするであろう外野は完全にカハルの味方なのだから、既にジャッジは決まっている、アホらしい、という風に意識が明かされるのが心地いいですね。
タカユキさん、彼とても観測者としていいキャラですね。関西弁っていう、この時点では珍しい語りなのですが、それがまた調和している。
トワさん、身長190cmで筋肉質ってやっぱ怖いですね。それが話通じないし手ぇ掴んでくるわけですから猶更怖い。私が実際に遭ったら多分怖くて動けなくなります。読んでるだけなら「何やねんこいつ! こんなやつなんかこうしてああしてこうや!」なんて言っていられるわけですが。そんなわけで、現段階では悪役としてつよつよですね。この戦いで読者が感じるアヲイさんの勇敢さは、そんなトワさん相手に怯まず拳を振るったことで補強されるでしょうし、彼女の洗練された喧嘩術をだだっこパンチ一発で振り払うトワさんのフィジカルもまた印象的ですね。
「――ベーシストの腕は高いんだろ?」ここなんか特に悪ですね。この世界でそれやるの本当にひどい。でも冷静に見れば「大きい子供」という感じがしますし、ちゃんとウソ記憶に「苦しんでいる」という描写がたっぷりあるんですよね。それが後々大きく絡んでくるわけですが……。キャラが本当に濃いです。
人間、命令形で話されるだけでなんかイラっとしますものね。
あと、セツナさん、彼女見る側の人物として素敵ですね。後々彼女がタンカ切るとこも好きなんですが。彼女自身の評価と外部からの評価が噛み合っていないのも印象的です。
それにしてもヱチカちゃんが本当にいい子で癒しですね……。
あとガロウさんの「親に感謝しなくちゃよ」がしんどいですね。他人に言えてしまうくらいには彼の中で分割されているんでしょうけれど、モモコさんにおんなじこと言われると思い出す、もしくは意識の内に入るのが。
作者からの返信
佐倉タカユキに関しては、「こういう風に外側から物事を見れる人がいたほうが話が分かりやすいな」という思いでつくったキャラでした。音楽的情熱を持たない才能の持ち主。
トワについては、アヲイの「オルタ」(FGO用語)みたいな存在を出したいというのが先にありました。
朴セツナは昔書こうとした二次創作小説のキャラクターの再利用なんです。つまり、実質前作主人公なんですよね。シンセシスシリーズにゼロがあったらセツナが主人公なのかもしれません。
ヱチカちゃんは、人によっては良い子にも悪い子にも見える、「普通の子」を目指そうとは思っていました(たとえば私の弟はヱチカを「ヤな女だな!w」と言っていますw)
密度が濃い 「絵」が見えるようだ