僕は神様

カキピー

僕は神です

 某日某所、ある日、神楼観小学校に神谷凛という、男の子が転校してきた。

「はい、みんな、今日は、わかっていると思うけど、転校生が来ます。仲良くしてあげてね!じゃあ、入ってきてー!」

―――ガラガラガラ

「こんにちは、神谷凛です。突然ですが、私は神です。」

 クラス中に笑いが起こった。それもそうだ。いきなり、自分が神だという中二病発言が起きて、笑わない人なんていない。しかし、そんな中でも、神谷凛という男の子は、平然と立っている。そこで、担任の鈴美京子という先生は、

「はい、みんな笑わないの。神谷君もいきなり変な事言わないの。それじゃあ、神谷君は、真ん中の後ろの席だから、そこで授業を受けるようにね」と、神谷を席まで移動させた。

 お昼休憩になり、神谷の周辺には、多くの人だかりができた。馬鹿にする者、興味のある者、様々な人が寄ってきた。すると、いきなり、ある男の子が、

「じゃあ、神なら何でもできるんだろ?試しに何か予言でもしてみろよ」と、馬鹿にするような口調で、神谷に言ってきた。神谷は、そんな口調に態度一つ変えずに、

「いいよ、じゃあ、何系がいいとかある?」

「?何系ってなんだよ」

「ジャンルだよ、良いこととか、悪いこと、最悪なこと、最高なこと、人には、いろんな感情があるだろ?そういう系を聞いてるんだよ」

「なるほどな、じゃあ、試しに、何か悪いことでも予言してくれよ。範囲は、このクラスで。悪いことの範囲は、初めてだし、緩めでいいぜ」と、男の子は、そう提案してきた。

「フーン、わかった。じゃあ、あえて、名前は言わないでおくけど、誰かが、下校中鳥に糞をかけられるってことくらいでいい?」

「はっは、確かにちょうどいいじゃん。しかも誰かもわからないっていうところが面白い。おーい、今日帰りに鳥の糞かかったやつ、明日報告しろよ」と、笑いながら、言った。

―――下校中

「しかし、変な転校生が来たもんだな。いきなり、自分が神と言うやつ、キモ過ぎるだろ。しかも、あの予言も意味が分かんねぇよ」と、友達と喋りながら、男の子は歩いていた。すると、

ボトッ。と、男の子の頭上に、何か乗った気がした。男の子は、帽子を見ると、叫び始めた。

「ぎゃああああ、なんだこれ。鳥の糞か!?なんで俺の頭の上にするんだよ!」と、文句を言っている途中、気づいた。今日の下校中に誰かに鳥の糞が落ちる。男の子は、驚いた。まさか、自分に向けて言われたのでは、と。

 男の子は、家に帰るとすぐに、風呂に入り、同時に帽子を洗った。

 その次の日、学校に行き、男の子は、神谷に問い詰めた。

「おいお前、昨日何かしただろ!お前が昨日鳥の糞が落ちるとかいうから、俺に落ちたじゃねぇか」

「え?何ってるの?確かに、言ったけど、僕と君は家の方向が逆じゃないか。だから、落とすも何も無理だし、至近距離で、そんなバカげたことやるわけないやん」と、神谷は否定した。その返答に、男の子は、何も言い返せなくなり、黙りこくってしまった。

 すると、突然、

「じゃあ、次は何系の予言が欲しい?」と、みんなに言ってきた。クラスのみんなは、興味本位で神谷に近づき、質問していった。しかし、彼は、みんなの願いを無視し、

「そうだなー、じゃあ、次は誰かが、変質者と会う。ってことにしようかな」と、神谷は言って、クラスのみんなは悲鳴を上げた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

僕は神様 カキピー @kakipisan

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ