第13話


ー負傷した俺はまたもやメェイェネルの拠点に出戻っていた。


「…って感じで破壊してきた次第です。初っ端から負傷しまって不甲斐ない。」


俺が簡易ベッドに身を預けながら今回の報告をすると少し困ったような顔をして二人が口を開く。


「……すまん、多分オレらが悪ぃわ。そんな構造の兵器庫は見たことねぇ。」


「ふむ、爆発の規模からしてたいそうりっぱな武器がほかんされていたのだろうね。きくかぎり機械兵の数がすくないのがきになるが。」


どうにも自分が襲撃した兵器庫はアンフォルテ達の想定とは随分違ったらしく、本来ならば剥き出しの兵器に爆弾を投げ込み破壊するだけだったようだ。


「…はは、生きて帰れたから良いもののツイてないですね…。」


「しかし、きみのようなぎせいによって善はなされるのだよ。落胆するよりもむねをはりたまえむねを。」


「…微妙な慰めありがとうございます。」


それを言って満足したのか、足早に机に向かっていくメェイェネル。おそらく今回の件の考察をしているのか普段の間延びした口調からは想像できない速さでペンを走らせている。


「…それにしてもオマエ、魔法が使えたんだな。最初に会った時は魔法のマの字も知らないようだったが。」


思い出したかのようにアンフォルテが言う。間が悪いというかなんというか、報告していなかったことに若干の後ろめたさを感じる。


「あの後使えるようになったんだ。言うべきタイミングが見つからなくて、黙っててすまない。」


「いいってことよオレも話してねぇこと結構あるしな。…ちなみにどんな魔法が使えるんだ?」


少し気まずげに手で赤髪を遊ばせながら、そうアンフォルテが聞いてきた。


「あー、なんて言うのかな。俺は『分解』って呼んでいて、機械とかの内部構造を外したりしているけど本来の効果はあんまりわかってないんだ。」


それについて正直に答えると、少しだけアンフォルテが顔をしかめたような気がした。


「魔法に本来の効果もクソもねぇだろうよ。しっかし分解か……うーん、あー、そうだな、一旦実践してみてくれないか?」


そう言ってアンフォルテはメェイェネルの方へ向かい、何かを話した後机の下から機械兵の腕らしきものを取り出した。


「これに対して魔法使えるか?」


その腕をこちらに向けて、アンフォルテが問いかける。


「あ、はいもう少し近くに。…大丈夫です、『分解』。」


一連の行動に小さなよそよそしさを感じながらも言われたように魔法を行使する。

そしてバラバラになる機械兵の腕。アンフォルテの方を見ればまじまじとこちらの方を見つめている。


「…いやぁすげぇもんだな、解体班いらずじゃねぇか。…消費とかも気になるところだが今日は無理すんな、寝とけ。」


急な態度、有無を言わせぬ圧力。言葉の端に少し違和感を感じながらも気のせいだと心の中で首を振る。


「オレらは、ちょっとやることがあるからここを留守にする。大丈夫だって、…実験用の機体を集めて来るだけさ。」


「なぁに、すぐにもどるさ。あんしんして眠ってな、なんてね。」


いつの間にか机に向かっていたメェイェネルも席を立ち、出口の方へ歩いていく。


こちらに背を向け出ていく2人の様子にいいもよらぬ不安を感じながらも俺は目を閉じるのだった。


ーーーー

あとがき

・少なめ

・展開早いし主人公寝すぎなので加筆するかも?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

レジストギア・エンジニア〜機械王と反逆の奴隷〜 為すこと無く、意味も無し @moguricap

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ