使い捨て
ボス部屋の前まで来た。
「それじゃあ、最後の戦いに行こうか。」
ドアをゆっくりと開ける。
中にはとても大きな穴があった。それも、そこが全く見えないような。
「これは落ちたら確実に死ぬな。みんな気をつけろよ。」
見間違いだろうか。カイルが笑っているように見えた。
すると中には、一人の少女がいた。
そしてこっちをみて笑い、辿々しくこういった。
「シン、ニュウ、シャはコロス」
そんなことにはお構いなく、カイル達は次々に技を放っていく。
そして、なんともあっけなく戦いは終わってしまった。
圧勝だった。
また、その少女の死骸はなく代わりに機械の破片のようなものが落ちていた。
カイル達はダンジョンに一つ置いてある宝箱を開けた。
そこには、とてもお宝とはいえないものが入っていた。
それは、ただの工具箱だった。
カイルは舌打ちをし、俺にそれを投げつけて言った。
「それは君にあげるよ。僕たちは使わないしね。」
そして、帰ろうとした時カイルが、急に俺を突き飛ばした。
それも、奈落の方へ。
「じゃあな、使い捨ての荷物運び。」
俺は全てに合点がいった。
俺に職業を教えてくれたこと。
俺にとても優しくしてくれたこと。
奈落を見た時に少し笑っていたこと。
最初から俺は使い捨てにされる予定だったのだ。
俺は全てを諦め意識を失った。
リモートで魔王討伐! グリード @gouyoku
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。リモートで魔王討伐!の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます