最終章 ⑵ 完

 次の日、頭が痛いと思いつつ、昨夜のことは最後の方はあまり覚えてないまま、オリエンテーションに出るため学生会館の前を歩いていた。


 前から歩いて来る女の子。やっぱり絢だ。間違いない、まぼろしじゃぁなかった。大きな白い襟元と紺色の長袖ワンピースでカフスも白い、肩から見慣れた大きなバッグを下げている。あの青と赤の蝶々も確かに揺れている。束ねた髪の毛を左胸の前に流しているのが、懐かしい。微笑みながらこっちに向かって歩いてくる。周りは目に入らなかった。確かに、あの微笑みは絢に間違いない。誰よりも、輝いて見えた。どうしてーーー


「えへっ 追いかけて来ちゃった。初めて親不孝したんだぁー 学部違うけど、又、一緒に勉強できるネ」


 僕は、絢を  絢を  抱きしめていたのかも知れない。思いっきり、しっかりと


 今度は、二人の留メ具がしっかりと掛かったのだ。


                    Be Happy


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

絢と僕の留メ具の掛け違い・・ すんのはじめ @sunno

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ