四日目
また同じ、昨日と同じ日々。
だが、少しだけ変化が起こった。
教室のスピーカーから『1ーE小野寺マモル、今から学園長室へ来なさい』という放送があった。
俺はすぐさま、学園長室へ向かった。
「小野マモルです」
「入りたまえ」
俺は学園長室の中に入った。
そこには学園長のほかに、副学園長の二人と、サラ先生がいた。
「小野寺マモル。君の処分が決定した」
「はい」
いよいよ、元の世界に帰るのか。
たった一ヶ月にも満たない、異世界での学園生活。
だけどなんだか、とても長く感じていた。
「答えてもらう前に、少し私の愚痴を聞いてるれないかな?」
学園長、シド・ロードサモン・アールフレンドは無表情で言ってきた。
「はい」
「今回は、前代未聞だった」
「まあ、そうでしょうね」
「この学園を救った、逆に召喚獣を見殺しにした、そして君の成績不振の部分。いろいろ言葉が飛び交って、連日長時間の大議論だったよ。さらには私の立場を悪くしようとしてきた者もいた。即座に消えてもらったがね」
あれ? 今ちょっと危ないこと言わなかった?
「たった一体の召喚獣と、一人の生徒に対しての審議。ここまで学園を悩ませたのも、きっと類を見ないだろう。私もほとんど経験がないほどだ」
「…………」
「融通の利かないものが足を引っ張っては言い返し、まったく審議が進まず、正直あまりの焦れったさに私の血管が切れそうな瞬間もあった。小野寺マモル、君はとんでもない問題児だったわけだ」
「自分を問題児にされた事は、生まれて初めてです」
そう言い返すと、学園長は「ふふっ」と笑った。
「では、小野寺マモル。君に審議で決定された処分を下す」
「はい」
そして学園長、シド・ロードサモン・アールフレンドはきっぱりと言った。
「君に選択権を与える」
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