懐かしい味
久しぶりに
残りご飯を茶粥にして
あとはキュウリの浅漬け
何となく心と身体が
母の味が懐かしくなって
息子が「おっ!」といいながら
食卓に座る
いただきます!も、もどかしげに
口にしてから
「ああ〜懐かしい味だ〜」
と、しみじみつぶやく
ふふふ、ばあちゃんと
同じ味、まだ出せてる?
聞くと、「うんうん」
夢中で食べている
懐かしい味は
心にも身体にも優しい
山の家で酢水で手を濡らしながら
母娘三代でツワの皮を剥いた想い出
それでも、たくさん剥くからだろう
母の指先も祖母の指先も
アクで黒く染まっていたっけ
また作ろうねぇ
あの情景を瞼の裏に浮かべながら
わたしも箸をのばして、ひと口
そして、顔を見合わせて笑う
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます