第2話 鉱山探し 2
朝食前に家族の墓に参るのが、最近の習慣だ。
食事の後だと、備品を取りに言ったり、国王陛下や叔母様とお話をしたりして、お墓に参る時間がまちまちになってしまう。それに、遅い時間だと専属騎士が付き添ってくる。
叔母様に、専属騎士は要りませんと言ったら、困った顔をされてしまった。
「わたしは自在に空を飛べます。だから自分で自分を守れます」
「万が一、また誘拐されたらと思うと心配なのよ」
叔母様は、本当に心配しているようだった。
また誘拐されることなどあるのだろうか?
今はリーネもいるし、コルもいる。
エリザベートに不安は無い。
朝食が終わり、叔母様と紅茶を淹れる。
この習慣も慣れてきた。
母と同じ味のする紅茶を淹れられるようになりたいと密かに思っているので、叔母様と紅茶を淹れるのは嫌では無い。
カップに注いで、テーブルに並べる。
椅子に座って、お茶を飲むと、母が淹れてくれた紅茶の味が確かにする。
最近の毎朝の習慣になっている。
「美味しい」
懐かしさと香豊かなお茶の香りとまろやかな味わい。
「そう言えば、エリザベート嬢、総騎士団長が荷物は倉庫に置いておいたと言っておったぞ」
「あ、ありがとうございます」
コルが届けてくれた事を思いだし、頭を下げる。
「国王陛下、鉱山の事で、後でお話がありますの」
「見つかったのか?」
「はい、地図は部屋にありますので、できれば、あちらにお肉と荷物を届けてからお時間をいただけると助かるのですが、いつ時間がありますか?」
「今日は会議がないから、エリザベート嬢の時間に合わせられるよ」
「それでは、お肉と荷物を届けてから、お部屋に伺います」
エリザベートは頭を下げた。
叔母様が不思議そうな顔をしている。
「エリザベート、お肉とは何なの?」
「熊や猪の肉です」
「まさか、狩りなどしていないでしょうね?」
ドッと冷や汗が浮かぶ。
これは、内緒だ。絶対に内緒。
「以前にプリムス王子と出かけていたときに少し狩りもした事があります。その時の肉です。空間収納ができるので、保存が利くのです」
「そうなのね。あまり危険な事はしてはいけませんよ。怪我でもしたら大変ですから」
「はい、叔母様」
エリザベートはもう一度頭を下げると、自室に戻った。
余計な事を言ってしまった。
お肉のことは絶対に秘密にした方が良さそうだ。
寝室に入ると、リーネとコルが近づいてきた。
リーネを抱き上げると、急いで騎士団の倉庫に向かった。
食材と今回は果物も用意されていた。お約束の酒樽も幾つかあった。洗濯用の洗剤やシャンプーや石鹸も。
リーネを下ろして、収納してもらう。
総騎士団長が駆けてきた。
「おはようございます」
「おはよう。毎回悪いね」
「いいえ、お酒があると皆さん、喜びますから、今回もきっと大喜びですよ」
話している間に、荷物は綺麗に無くなった。
「本当に毎回不思議だな」
「そうですね。では、行ってきます」
「行ってらっしゃい。気をつけて行くんだよ」
「はい」
リーネを抱き上げると、エリザベートは急いで自室に戻る。寝室の扉を閉めると、リーネに跨がった。その瞬間、イリス王宮の上空にいた。
今日も眩しいほど天気がいい。
人影の無い場所に下りて、リーネを抱き上げる。
今日もプリムスとエルペスは、朝食を食べていた。
「おはようございます」
「おはよう」
今日も二人は笑顔で出迎えてくれた。
プリムスの横に座ると、今日も二人は餅米を炊いたご飯を食べていた。
笹の葉に包まれた餅米は、今日は混ぜご飯になっている。
さすがに毎日、同じ食事だと飽きるのだろう。食材に変化があって安心した。
「今日もいい天気ね。暑くなりそうだから、気をつけてね」
「エリも無理はするなよ。鉱山探しはゆっくりやればいいのだから」
「うん、今日はこの後、国王陛下とお話をしようと思っているの」
「昨日の鉱山の話だな?」
「そうよ。きっと場所を教えてと言われると思うの。今日は、リーネは馬形になってもらわなくちゃ。馬は背が高くて、ちょっと怖いのだけれど」
『落ちないように魔術で縛り付けておくぞ』
リーネの声を聞いて、二人は笑った。
「落ちないように気をつけて。リーネ、エリを頼むよ」
『我が主だ、怪我などさせない』
『そうよ。主の身を守るのも私達の使命なのよ』
リーネに続いてコルが答える。
「暑くなりそうだから、エリも気をつけて」
「そうね」
真夏の日射しは、朝から容赦なく降り注いでいる。
二人は食べ終えたのか、食器を洗いに席を立った。一緒に炊き出しの場所まで移動して、食材担当の騎士に声をかける。
「お肉はいりますか?」
「是非、お願いします」
「はい」
一緒にいつもの場所に移動する。
「今日は何にしましょうか?」
「それでは猪を10頭いただけますか?今夜はお肉を焼いて振る舞いたいので」
「分かりました」
リーネが猪10頭を並べた。
「ありがとうございます」
「猪と熊はどちらが美味しいのですか?」
「好き好きですが、猪の方が好まれますね」
「それなら、猪をたくさん狩った方がいいですね?」
「無理はなさらないでくださいね」
「はい」
「エリ」と呼ばれて、振り向くと、プリムスとエルペスが待っていた。
騎士に頭を下げて、二人に元に駆けていく。
「もう行くの?」
「ああ」
「涼しいうちに進めたいからね」
「頑張ってね、二人とも」
「ありがとう、行ってくる」
「行ってくるね」
「行ってらっしゃい」
荷物を載せた馬車が出て行く。その後を騎士団が乗った馬車が走っていく」
二人は馬に跨がると、手を振って走り出した。
二人を見送って、騎士と一緒に備蓄庫に向かう。
荷物を出すと、やはり酒樽を見て喜んでいた。
「では、わたしは戻りますので、要るのもがあったら、夕方に言いつけてください」
「お疲れ様です」
リーネを抱き上げて、宮殿の外に出ると、人のいない場所に移動して、リーネに跨がる。
すっとシュタシス王宮の私室に戻っていた。
「外は暑いわね」
『主、水分を摂っておけ』
『ええ、そうするわ』
部屋に置かれたポットで紅茶を淹れる。
最近では、母の味に近づいたお茶が飲めるようになってきた。
砂時計で時間を計って、カップに注ぐと冷めるまでの間に、地図を準備する。
馬に乗るのに、帽子は邪魔になるので、今日はストールだけ用意しておく。
地図には一応、宝玉のある場所と金鉱山の場所を一つずつ印を付けてある。
+++
国王陛下の執務室の扉をノックすると、暫くして扉が開けられた。見たことのない顔だったので、エリザベートは緊張して後退る。
エリザベートは大人の男性が怖いのだ。
国王陛下より年上で、強面の男性の腰には剣が携わっている。
ギュッとリーネを抱きしめて、逃げだそうとしたら、声をかけられた。
「エリザベート様ですね。国王がお待ちです」
「あ、はい」
「私は国王陛下の側近であるスケーマ・インプルスです。お見知りおきを」
「こ、こちらこそ、お願いします」
エリザベートは淑女の礼をした。
よくよく顔を見れば、イリス王宮に国王陛下をお連れしたときに、一緒に向かった二人の内の一人だと思い出した。
部屋に案内されると、国王陛下は、机に向かって座っていた。
仕事の手を止めてくれているようだ。
「エリザベート嬢、ソファーに座りなさい」
「はい」
国王陛下は、机からソファーに移動してきてソファーを勧めてくれる。
国王陛下も座ったので、エリザベートもソファーに座った。
「鉱山の位置だったね」
「はい」
エリザベートは持って来た地図をテーブルに広げた。
「青い丸が金鉱山です。赤い丸が宝玉がある鉱山です」
「ほう」
リーネとコルがいいと言った場所に印を付けたのだ。
「どんな宝玉かは分かるのか?」
ソファーの上に宝玉の原石が置かれている。リーネが出した物だ。
「こちらになります」
両手で原石を持ち上げると、国王陛下は立って、エリザベートの手から原石を受け取った。
「これは、また素晴らしい」
「ダイヤモンドの原石だと思います。磨けば美しく輝くと思います」
全部リーネが教えてくれた物をそのまま伝える。
「どちらの鉱山を掘るのかは国王陛下が決定してください」
国王陛下の横には、側近が寄って、原石を一緒に見ている。
テーブルの上に原石を置くと、国王陛下はソファーに座った。
「場所は案内できるか?」
「はい」
「馬車を出そうか?」
「馬で平気です」
「これは、また。エリザベートは乗馬が得意なのか?」
「得意って程でもないですけれど」
「それなら、昼食後に向かうか?」
国王陛下は、時計を見て悩んでいる。お昼まではまだ時間がある。お昼からでは回りきれない。そんな時間だった。
「今からでも構いません」
「それなら、スケーマ、お昼ご飯になりそうな物を至急準備してもらって来てくれ。エリザベート嬢の食事は抜かせるな」
「畏まりました」
スケーマは部屋から出て行った。
「わたしも準備をしてきます」
エリザベートはリーネを抱きかかえると、国王陛下の執務室から出た。
色々詮索されそうで、逃げ出して来てしまった。
『今日は大変そうね』コルがコロコロ笑っている。
『主、コソコソするな。余計に不審がられるぞ』
『そうね、気をつけるわ』
一度、部屋に戻りストールをふわりと纏った。
+++
国王陛下が厩に行く前に、エリザベートはリーネに跨がっていた。今日のリーネは完璧に馬に化けている。
「お待たせしたね」
「いいえ」
国王陛下は、側近二人と近衛騎士数人連れてきていた。
エリザベート以外は、皆さん、乗馬服を着ている。
エリザベートは、いつもと同じワンピースとドロワーズにワンピース用の靴だ。
「エリザベート嬢にも乗馬服を用意しないといけないね」
「いいえ、これでいいのです。では、行きますね」
エリザベートは先頭を駆けた。
リーネは後続の馬のスピードに合わせている。
『馬は背が高いな。足がぶらんぶらんしちゃう』
『靴を落とさないでね』コルがコロコロ笑っている。
『主は魔術で縛り付けておるぞ。何も落ちはせぬ』
『リーネってすごいのね』
リーネとコルが笑っている。
ストールを巻いてきたけれど、日射しから守れるのは首の辺りだけだ。
じりじり肌が焼けると思っていたら、リーネが日射しまで遮断してくれた。
『ありがとう、リーネ』
『主は肌が弱い故、長時間、直射日光を浴びると肌がただれてしまう』
『そうなの』
もう顔や腕がヒリヒリしていた。
『主、治癒魔法を使うといい』
『今使ってもいいの?』
『構わん』
『じゃ、治癒』
キラキラと肌が光って痛みが消えていく。
リーネとコル騒ぎながら走っていたら、「主、到着だ」とリーネが言った。
リーネが止まって、背後を見ると、かなり遅れて国王陛下一行が到着した。
「エリザベート嬢、ずいぶん早いな」
「そうかしら?」
「それで、到着したのか?」
「はい、この先です」
今度はゆっくり草と小枝のある場所を通って行く。
「ちょっと待ってくれ」
背後を振り向くと、国王陛下は馬から下りていた。
近衛騎士が馬を預かり、木に縛り付けている。
歩いて、エリザベートを追いかけている。
リーネはゆっくり歩いて、山に到着した。
「ここです」
「ふむ、場所も良い場所だ。ここなら民を雇っても通いで来られそうだ」
近衛騎士数人が木に印を付けていた。
山の斜面にも印を付けている。
「ここは玉石がある場所だな?」
「はい。金鉱山も行きますか?」
「いったん、ここで休憩をして、それから連れて行ってくれるか?」
「はい」
「では、いったん、お昼休憩をしよう」
側近の手にはリュックがあり、そこから包まれたバケットが出てくる。
「急だったので、パンだけですが」
「ありがとうございます」
バケット一個をもらって、それをゆっくり食べ出す。
バケットは柔らかく、硬いパンではなかった。
「この炎天下ではサンドイッチは、食中毒を起こす。宮殿に戻ったら、甘い菓子でも出してもらおう」
「気を遣わなくても大丈夫ですわ」
飲み水は魔道具の水を持って来たようだ。
パンを食べると、エリザベートは手から水を出して、それを飲んだ。
「国王陛下も飲まれますか?」
「では、いただこう」
手から流れる水で、顔を洗い、掌を開いて水を飲む。
「これは旨い水だ」
「皆さんもどうぞ」
順に、皆さんにも水を振る舞った。
皆が背を向けて来た道を戻るときに、リーネはエリザベートが乗りやすいように背を低くしてくれた。
リーネに跨がって、来た道を戻る。
縛ってあった馬には魔道具の水を与えたようだ。
馬にも水を与えたかったが、リーネから下りてしまったらリーネに跨がるのは大変になってしまう。
『ごめんね』と心の中で謝罪して、次の場所に移動する。
リーネが日射しを防いでくれるお陰で、日焼けは最小限ですんだ。
金鉱山の場所も教えると、太陽がかなり傾いている。
「国王陛下、先に戻ってもいいですか?イリス王宮に行かなくちゃ」
「ああ、いいぞ。ありがとうな、エリザベート嬢」
「すみません」
リーネに跨がったまま姿を消した。
瞬間移動で自室の寝室に飛ぶと、リーネは直ぐに子猫の姿に戻る。
「遅れちゃうわ」
王宮内を走りながら自分の体を浄化する。汗ぐっしょりだった体が、一瞬に綺麗になる。
ダイニングルームに入ると、「シェフ、夕食をお願いします」と声をかけた。
直ぐに、テーブルの上に出来たての夕食が並ぶ。それをリーネが空間収納に片付けて行く。
「あら、今日はケーキがあるのね?」
「国王陛下からの労いです」
「ありがとうございます」
「お礼は国王陛下におっしゃってください。お昼は少なかったでしょうからと」
「はい」
エリザベートはお辞儀をすると、テーブルの上の料理は全て無くなっていた。
「行ってきます」
「お気を付けて」
リーネを抱き上げ部屋に戻る。
直ぐにイリス王宮飛んで、炊き出しの水を補給して、宮殿の中に入っていく。
「浄化」
宮殿内が綺麗になった。
お風呂場に着くと、もう一度浄化した。
浴槽の水を流して、その間に水を補充して、ボイラーのスイッチを押すと灯りを点していく。一緒にシャンプーや石鹸の確認もしていく。
浴槽の水が抜けた頃に、「水」と唱えると、浴槽に水がバシャッと入った。
今度は適温になるまで、温めていく。
慈愛の熱でお風呂を暖めて、手でゆっくりかき混ぜる。
「できた」
立ち上がると、お風呂場をプリムスとエルペスが覗いていた。
「おかえり」
「エリもお帰り。疲れていない?」
「今日は間に合わないかと思っていたんだよ」
「国王陛下を置き去りにしてきたのよ」
プリムスは大笑いして、エルペスは苦笑していた。
「お昼はバケットだけだったから、今夜はケーキがあるの」
「それは、エリへのご褒美だね」
「待っているから、お風呂に入って、ちょうどいい湯加減よ」
エリザベートがお風呂場か出ると、二人が代わりにお風呂場に入った。
二人がお風呂に入った頃合いを見て、「浄化」と口にする。
洋服が綺麗になったと思う。
騎士団長を訪ねて、足りない物を尋ねる。
今日は足りているようだ。
ダイニングルームに入ると、プリムスだけがいた。
「エルペスは風呂が空いたことを知らせに行ったよ」
「河川工事はどれくらい進んだの?」
「そうだね、騎士団の方は最終地点まで着いて、シュタシスの川に繋げる川を進めているよ。民達も頑張っているかな。河川工事を始めて約1ヶ月経つから。二本の川ができたら、田畑を耕す民と三本目の川を進める民と分けようかと思うんだ。そろそろ貴族もこちらに到着する頃だし。夏の間しか、野宿もできないだろう。冬に備えて、民に家を与えないと」
「冬が来る前に田畑までできるといいけれど。飢えは辛いから。少しでも食べ物が植えられたらいいと思うの」
「そうか、食べ物だな」
「麦なら秋にまいて、翌年の夏前に収穫できるかしら」コルがコロコロ笑いながら教えてくれる。
「ちょうどいい時期だね」
「国王陛下に種があるか聞いてみましょう」
「種があれば、良い場所に印を付けるわ」
「コル、頼りになるな」
プリムスは感心している。
「麦は夏野菜の畑の間に植えるのよ」
「もし、種がなければ、私が用意するわ」
「コルは種を持っているの?」
今度はエリザベートが吃驚している。
「私は豊潤な妖精。豊かな土地を作るのが得意なのよ」
なるほどとエリザベートとプリムスは頷く。
「早めに畑を耕そう」
「赤い花を咲かせるわ」
コルはクルッと一回転した。輝く光が瞬いて消えた。
「小麦と冬の野菜を植えるわよ」
コルはコロコロと笑う。
「魚の放流はいつ頃がいいかしら?コルは知ってる?」
「それは精霊王に聞いてちょうだいな」
「分かったわ。精霊王様に聞いてくるわ」
「それがいい」
「お待たせ」
エルペスが戻って来て、ダイニングテーブルに食事を並べた。
「今日も豪華だ」
「美味しそうだ」
「いただきましょう」
三人で食事をする。
真夏の季節は秋へと進んでいる。
昼間は暑いが、夜になると涼しくなってくる。
食事を終えると、リーネがお皿を片付けてくれる。
お茶とケーキを食べながら、地図を広げながら、貴族が構えていた屋敷を色づけして、庶民の家も別の色で塗っていく。
元の貴族だった者は、残り三家だ。その者達は順応性があると見込んで屋敷は奪わないつもりでいる。
領民と上手くやっていけるならば、その土地を任せられるとプリムスは考えていた。
平民となった貴族は、5人ほど河川工事に来ている。鍛えていただけあり先導を切って民を纏めている。その功績を称えてもいいと思ったのだ。その事も父と話し合おうと思っている。
河川工事が終わったら、一度シュタシス王宮に戻って、この先の事を話し合おうと思っている。
「エリ、今夜はもう帰って寝た方がいい」
「そうだよ、昼間、国王陛下と鉱山に行ったんだろう」
「うん、そうするね、リーネが早く眠れって言うし」
抱きしめていたリーネを床に下ろすと、テーブルの上の茶器が片付けられている。
「主はまだ体が癒えぬ故、心配しておるのだ」
「分かってるわ、また明日ね」
リーネに跨がると、瞬間にシュタシス王国の寝室だった。
リーネは直ぐに子猫の姿になり、エリザベートはリーネを抱き上げる。急いでダイニングに向かう。扉をノックして、ダイニングルームに入って、テーブルの上に食器を並べる。
「シェフ、お願いします」
「お帰りなさいませ」
「遅くにごめんなさい。ケーキ、プリムス王子も喜んでいました」
「そうですか?甘い物もデザートに入れましょう」
「お願いします」
エリザベートはリーネを抱き上げると、ダイニングを出て行った。
『早く、眠れ』
『お風呂に入ったら、眠るわ。明日は少し精霊王様に会いに行ってこようかしら?』
エリザベートはふわりとあくびをする。
今日はさすがに疲れたと、エリザベートは思った。
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