第6話 WITH ALLERGY

 若いころ、秋になり始めると鼻水やくしゃみが止まらなくなっていました。(それ普通やろ。)放っておくと、初夏の時期まで続くのです。耳鼻科を受診すると、「なり初めにしっかり薬でおさえるといいですよ」と言われたので、それからは毎年早めに対処することで乗り越えていました。秋の花粉にでも敏感になったのかな、部屋のホコリやカビなのかな、それくらいの感覚でした。

 妊娠や出産のタイミングで、症状が消えることもありました。女性ホルモンが関係していると聞いたこともありますが、花粉症って男の人もかかりますよね。40歳ころになると、鼻の症状はなくなりましたが、牛乳アレルギーがでました。生で飲むと蕁麻疹です。もともと牛乳が嫌いですから、温めて飲むなんてことはありません。

 その後、湿布薬への異常反応。(ああ、あのひどいかぶれ) 頭皮の湿疹もそのころからです。最初は年に一度くらい湿疹ができていました。10年ほど前は、頭の半分が湿疹で憂鬱でした。塗り薬もシャンプーを変えても、無添加にしても効果なし。(体の中からの症状やな。)

 50歳を過ぎて大豆に気がつきました。ソバを一度食べて、ほんの少しですけれど、食べて、夏でしたから、短パンから出た太ももに赤い斑点が出たので、食べている途中でしたが捨てました。カシューナッツがおいしくて、たくさん食べたことがあります。翌日、血便がでました。(怖い~~~!)

 今年の三月、コンビニで売られているイカ明太を食べたところ、数か所に痒みがでて、そのうちの腕にでたものが、とてもひどく、水膨れになりました。そのご、明太子を食べても出ないので、生のイカが原因のようです。確かめるためにイカ刺しを食べようとは思いません。(イカ大好きとちゃう?)

 ここまでは比較的に対処しやすいものばかりでした。数年前からのお邪魔虫ゼラチンは曲者です。しかし、生きていく中での旅の道連れになってしまったので、うまく付き合わなければなりません。


 以前、テレビ番組で花粉症などのアレルギーと戦うアメリカの男性が取り上げられていました。人間の腸内の常在菌と寄生虫を調べていた彼が注目したのは土の中の生物です。靴や靴下といった文化的な生活の中で、素足で歩くことがなくなりました。彼はアフリカの地を裸足で歩き、花粉症が軽減する経験をしました。(確かその人、もっとすごいことやってたんとちゃうか?お腹で寄生虫を飼ってみたんやない?)

 私たちが小学生のころ、裸足で駆け回っていましたよね。運動会だって裸足でした。今は違います。

 テレビなどのメディアで除菌を叫ばれていますが、そこまで必要なのか疑問に感じます。

生きていく中での必要な抵抗力が奪われてしまうこともあり得るかもしれません。昔は存在すら知られていなかった花粉症。裸足になることを置いてきた私たちへの宿題に思えます。土や自然の草花に触れる大切さを取り戻すように教えているのかもしれません。

 人生の道にアレルギーという石ころが増えただけです。道が消えたわけではありません。毎朝、息子が食べる納豆、食べたい誘惑は、そのおいしさを脳裏に呼び起こします。それは食の豊かさを認識させるものです。まだ私の知らないいろいろな食品の食べ方を見つけたいという気持ちを目覚めさせてくれそうです。

 すべてが奪われたわけではない、食べる楽しみは新たなものへと案内してくれそうです。

便利な加工食品ですが、私は手作りの道、シンプルな料理を探求したいと思います。

 読んでくださり感謝します。


                              Hitori

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