―09― 〈体術〉を獲得しました

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 スキル〈体術〉を獲得しました。


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〈体術〉を選択した瞬間、メッセージが表示される。

 本当に手に入ったのか確認しようと、念のためステータス画面を開く。


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〈キスカ〉


 スキル1:セーブ&リセット

 スキル2:体術Lv1

 スキル3:なし

 スキル4:なし

 スキル5:なし


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 うん、ちゃんと表示されている。

 一応、スキルの説明を確認してみようか。


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 スキル:体術Lv1


 武器を持っていない場合、もしくはリーチの短い武器を持っている場合に、効果が発動。

 体術の才能を得る。 

 身体能力の一部強化。


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 うん、想像通りの効果だ。

 身体能力が強化されるってのがいいな。これなら、俺の攻撃力も強化されているはず。


「「グォオオオオオオオオオオオオオッッッ!!」」


 鎧ノ大熊バグベアの雄叫びが聞こえた。

 それじゃあ、始めようか。





 結果、開始3秒で死にました。


「くそぉおお!」


 死に戻りした俺は言葉を吐き捨てる。

 まぁ、わかっていたさ。

 鎧ノ大熊バグベアの攻撃をよけるのは難しい。

 それはLv1の〈体術〉スキルを得ても同じことだった。

〈体術〉のおかげで、多少動きが速くなり、攻撃力が強くなったとしても、Aランクの魔物の前では、焼け石に水だ。


「何回も挑戦するしかないよな」


 一回目でうまくいくわけがないのはわかりきっていたことだ。

 何回も挑戦しては、相手の動きを頭に入れて、最適な動きを模索していけば、いつかは光明が差すはずだ。


「よしっ」


 と、口にして、気合いをいれる。

 まず、最初に襲ってくる鎧ノ大熊バグベアの攻撃を回避することからだ。





 試行回数およそ315回目。

〈体術〉を選択して10体もの鎧ノ大熊バグベア相手に戦うこと5回目。


「これ、無理だろ……」


 俺は、そう呟いていた。


 何度も戦っているからか、鎧ノ大熊バグベアたちの攻撃パターンはある程度、読めるようになっていた。


 特に最初の15秒までなら、どんな攻撃もかわすことできると自信をもって言える。

 それに、攻撃するチャンスも何度かあった。


「死ねっ」


 だから、全力のパンチを繰り出す。

 ドンッ、と音が響く。

〈加速〉を選択していた頃に比べたら、攻撃力が増していることは肌で感じる。

 だけど、鎧ノ大熊バグベアが何食わぬ顔で立っていた。


「ガゥッ!」


 そして、俺に腕を振るう。

 俺は死んでいた。





「よしっ、別のスキルにしよう」


 前回、〈加速〉にこだわり過ぎて、無駄に死にすぎたという経験がある。

 まだ〈体術〉を選んで、5回しか戦っていないが、別のスキルを選ぶことにする。

 感触としては、より〈体術〉を極めればもっと戦えるだろうと思っているが、別のスキルを試してみて、手応えがなければ、再び〈体術〉に戻ったっていい。


「その前に、まずはお前からだな」


 最初の鎧ノ大熊バグベアに目を向ける。

 もう何度もこの鎧ノ大熊バグベアを見ているせいか、妙に親近感がわいてくる。

 まずは、こいつから逃げるところだ。


「さて、着いたはいいが、次はなにを選ぶべきか」


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 以下のスキルから、獲得したいスキルを『1つ』選択してください。


 Sランク

〈アイテムボックス〉〈回復力強化〉〈魔力回復力強化〉〈詠唱短縮〉〈加速〉〈隠密〉


 Aランク

〈治癒魔術〉〈結界魔術〉〈火系統魔術〉〈水系統魔術〉〈風系統魔術〉〈土系統魔術〉〈錬金術〉〈使役魔術〉〈記憶力強化〉


 Bランク

〈剣術〉〈弓術〉〈斧術〉〈槍術〉〈盾術〉〈体術〉〈ステータス偽装〉


 Cランク

〈身体強化〉〈気配察知〉〈魔力生成〉〈火耐性〉〈水耐性〉〈風耐性〉〈土耐性〉〈毒耐性〉〈麻痺耐性〉〈呪い耐性〉


 Dランク

〈鑑定〉〈挑発〉〈筋力強化〉〈耐久力強化〉〈敏捷強化〉〈体力強化〉〈視力強化〉〈聴覚強化〉


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「まぁ、順当にいけばCランクの〈身体強化〉か」


 ということで選んでみる。

 ついでに、スキルの説明を閲覧することにする。


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 スキル:身体強化Lv1

 

 身体能力を全体的に強化する。


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 想像通りの文章が書いてあるな。

〈体術〉でも、身体能力を強化してくれる効果があったはずだが、具体的な違いまではわからない。


「「グォオオオオオオオオオオオオオッッッ!!」」


 見ると、すでに鎧ノ大熊バグベアたちに囲まれていた。

 ひとまず、やれるだけやってみようか。

 そしたら、この〈身体強化〉ってスキルが有効なスキルなのかわかるようになるかもしれない。


 そう決意した、5秒後――撲殺により死亡した。


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