第10話 ハッピーエンド

気怠い体をそっと起き上がらせると、隣にはぐっすり眠っている課長がいる。

あまりにも可愛い寝顔だったので唯はじっとその寝顔を見ていると、課長がいきなり目を開けて

「いつまで見てるんだ。」といたずらに微笑んだ。

唯は幸せでそのまま課長に抱きついたが、ふと順と美幸のことが気になって顔を上げた。

急いでスマホを確認すると、順と美幸からそれぞれ幸せの報告がきている。

「課長、順と美幸が無事カップルになったって報告がきてます。」と唯は嬉しそうに課長に話しかけると、

「ってか、俺勘違いしてかなりかっこ悪いよな。本当に恥ずかしい」と言って顔を赤くした。

「それはさておき、唯はいつまで俺のことを課長と呼ぶんだ。高岡のことは順、順と呼ぶくせに、俺の名前知ってるよな。」とさらりと唯の名前を呼んだので驚いた。

「私は課長の名前なんて知らないから、呼べません。」といたずらに笑い、こう続けた。

「課長のことがずっと好きでした。ファスナー事件で出会った、その日から」と抱きしめて、深い深いキスをした。

偶然に出会った二人が再会して、まさかこんなことになるなて唯には想像できなかった。


あの日スカートのファスナーが開いていてよかった。



   -end-

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

コーヒーと課長とわたし KEI @kei8787

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ