トヨタ・シエンタ(3代目)
横浜・ベイブリッジ・首都高を運転してみたい、という理由だけで東京で借りたクルマです。別に1人なのでここまで大きなクルマである必要はなかったのですが、Timesカーシェアを使おうと思った時に近くのコンパクトカーが全て出払っていて、周辺で借りられる一番小さい車両がこのクルマだったので借りました。昔、初代のシエンタが実家のクルマだったこともあって、気になっては居たんですよね。滅多に無い機会だしせっかくだから借りてみよ、という感じでレンタルしてみました。車両はハイブリッドカー、東京と横浜周辺を90kmくらい走りました。借りた車両のグレードはハイブリッドX(7人乗り)です。まずは、基本スペックを。
パワートレイン:1.5L、直3HV
馬力・トルク:91ps/5500rpm(システム最高出力は116ps)、12.2kg・m(120N・m)/3800~4800rpm
駆動方式:FF
トランスミッション:CVT
サイズ・重量:4260× 1695× 1695mm、1350kg
最小回転半径:5.0m
燃費:28.5km/L(WTLCモード、市街地モード :27.5km/L ・郊外モード :30.3km/L・高速道路モード :27.9km/L)
さてさて、では乗ってみての印象を。
まず感じたのは、「見切りが良くて車両感覚が掴みやすい」。いつも運転しているヴィッツに比べると目線も高いし長さも長いのですが、Aピラーが立っていて死角が少ないこと、そして箱形のボディ形状も相まってどこが車の角なのか分かりやすいと感じました。これは初代のシエンタでも同じで、何となく懐かしくなりました。「誰でも運転しやすいのに大容量の家族の相棒」という、シエンタの正常進化バージョンというか、「あぁ、このクルマはシエンタだ」という印象です。今回は特に荷物を積んで走った訳ではないのでその辺の使い勝手は分かりませんが、見た感じ床面はフラットでシエンタお得意の「3列目が2列目の下に収納される」のも受け継がれているので、使い勝手は良さそうに感じました(初代はメチャメチャ使い勝手が良いクルマでした)。また、この型からだと思うのですが、左ミラーに下側を確認するための補助ミラーが付いていて、さらに死角を少なくする工夫がなされていました。あまり運転に自信がないけど運転する必要がある、という方でもシエンタはかなり運転しやすいのかなと思います。また、個人的にはデザインも「シエンタらしい」と思っていて、誰でも親しみやすい丸っこさがありながらスペースを最大限に活かすための四角さを兼ね備えたものになっていると思います。「角が取れた四角」というイメージでしょうか、個人的には「これが新しいシエンタだよ」と言われた時にしっくりくるデザインだなと思います。
さて、では走行フィールについて。ハイブリッドということもあって、やっぱりトルク感は素晴らしいものがありました。さすがにヤリスハイブリッドと比べると重さは感じますが、初代シエンタと比べると上り坂や発進時にアクセルを踏んだときのレスポンスが格段に良くて、ガソリン車のコンパクトカーよりも良いくらいに感じました。速いわけではないのだけれど(というか速さが求められるクルマではないから当然だけれど)、必要な場面では踏ん張ってくれる、という感じで結構力強く走ってくれます。ただ、足回りは少し柔らかめで、カーブではしっかり減速してから進入しないとロールする感覚はありました。この辺りのセッティングは初代と結構似ているのかな、という感じで、走行フィールは初代のシエンタとアクアを足して2で割った感じ。機構とかは色々と変わっていると思うのですが、素人的には特に大きな変化は感じ取れませんでした。ただ、2代目は乗ったことが無いので分かりませんが、初代の「誰でも難無く乗れる」という長所はそのまま受け継がれているな、と感じました。高速では初代よりもかなり良くなっているのが感じられて、足がしっかり動くのとボディ剛性が高まっていてハンドル操作のレスポンスが上がっているような感じがしました。これはハイブリッドのバッテリーがある分だけクルマの重心が低いところにあるのも関係しているかもしれません。また、先ほど「しっかり減速しないとロールする」とは言いましたが、それでも初代よりはロールしにくい印象を受けました。低速域では(トルク感を除いて)あまり大きな違いを感じませんでしたが、高速域を走らせると確かな進化を感じました。
燃費については、90km近く走って、平均すると21.0km/Lくらい。燃費は市街地でも高速でもほとんど変化しなかったように感じました(ちなみに、渋谷付近から横浜まで高速を使って移動、少し横浜をドライブした後、首都高湾岸線・環状線を走って東京都内で高速を降り、東京タワーを経由して渋谷付近まで走りました)。借りたのが夜だったので、割とスイスイ走れていたのも影響しているかもしれません。とはいえ、やはり都心部はストップアンドゴーが多かった中で、この数字を出せるのはさすがハイブリッド。先代型のアクアにもちょくちょく乗る機会があるのですが、それと大差ないような感じでした。ハイブリッドシステムも改良されているのでしょう、燃費で不満が出ることはまずないと思います。
ちなみに、よく酷評されているイメージのある3列目に座ってみましたが、あれは非常用ですね。近距離なら良いけれど、大人が長距離乗るにはあまりにも膝元のスペースがなさ過ぎます。頭上は余裕があるのですが、膝元はどう座っても膝や足が2列目の背中に当たった状態になってしまいます(ちなみに筆者は約180cmのやや細身)。
という訳で、乗ってみての総評。誰にでも優しくて乗りやすい家族の相棒、という感じでしょうか。尖ったところがある訳ではないからこそ、安心して選べるクルマだと思います。5ナンバーで荷物が積めるクルマが欲しいだとか、子どもが居て荷物も人も乗せるクルマが欲しいという方にはぜひオススメしたい一台です(3列目は非常用と割り切って下さい)。3代目のシエンタは、実に「シエンタらしさ満載」に仕上がっていました。
クルマ好き素人がクルマについて考えてみる RURI @RURI-chrysipteracyanea
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