第2話、First ~Story during a day rikaver~

ピピピピピピ……

目覚ましの音が激しく鳴っている。


「う~……」


俺は、目覚まし時計を探して、音を止めた。


「ふわあ……朝か」

そう言って時間を見る。

時間は、タイマーセットしていたので、七時三十分となっている。


「今日は、月曜日か……はあ、かったりぃ……」

俺は、ベットから起きると、窓を開ける。


「お~いい天気」

そう言って、空を眺めていたら、誰か歩いているのを見つけた。


「お、里香じゃね~か、よ~し」

俺は、里香に向かって、大声で


「お~~~す、里香~!」


「……?、あ、かずちゃん、びっくりさせないでよ~、もう……」

そう言っていた。

外にいるのは、この俺、桐山和樹の幼馴染の、佐々木里香である。ショートヘアーの髪型に、栗色の目、背は低いが、見た目はいいので問題はない。どうやら、いっつも下駄箱とかにラブレターとかあるらしいが、持ち前の鈍さで

ラブレターを貰っても、「?」っと思って捨てるらしい……

あげた奴、可愛そうだな~って思う。


「一体どうしたの?かずちゃん、朝っぱらから大声出して?」


「いや、たまたま見かけたからな、一緒に学校行こうぜ?」


俺がそう言うと、里香はう~んと考えて


「う~ん、時間あるからいいよ~、一緒に行こう」


「じゃあ、ちょっと待ってろ」


「うん」

俺は、急いで服を着替えると、学生服を着る

こう見えても俺は、学生だ、よく大人に間違われる事も多いが普通の男子高校生である。

俺は、すぐに外に出た。


「よ、じゃあ行こうぜ」


「は~い」

俺と里香は、一緒に学校へと向かった。


向かう途中

時刻午前八時十分


「ねえ、かずちゃん」

里香が、俺に尋ねる。


「何だ?」


「最近はまってる物とかあるの?」


「はまってる物?何でそんな事聞くんだ?」


「え?いや、ほらだって、一緒に登校するの久しぶりでしょ?小学校以来だし」


「そうだな……」

確かに昔は、里香と一緒に小学校へと通っていた覚えがある。でも中学に入って、別のクラスになって……そこからだったかな?

一緒に登校するのが無くなったのは……


「はまってる物か?そうだな、最近、面白い物を見るのにはまってるかな」


「面白い物?例えばどんな物?」

里香は、興味津々に聞いてくる。


「そうだな、例えばお笑い芸人とかかな、今、売出し中のサンサールズ知ってるか?」


「うん、知ってるよ~、確かにあの三人組のコント、面白いよね~w」

里香は、笑顔でそう言う。

よく見てみると、こいつ、結構美人だよな?

まあ、ちょっとぼけっとした所あるけど


「そういうお前は、何にはまってんだよ?」

俺は、里香に聞いてみる。


「私?私はね~……え~っと、料理かな?」


「料理~?」


「な、何?かずちゃん」


「お前確か……」

俺は思い出した、確か料理下手だって事

あれは、小学生六年の頃……


(回想)

俺は、よく里香と遊んでいたので、里香の家にお邪魔していた。


「かずちゃん~、私ね?お料理作ってみたの」


「ほんとか?里香?」


「うんw今、お母さん出かけてるから、かずちゃん食べてくれない?」


「いいのか!?」


「うん、いいよ~wは~い、たくさん食べてねw」

俺はその時、やったぜと思った。

里香の手料理を食べられるなんてって思ったからだ。俺は、里香の手料理を食べた瞬間


「う……」


「かずちゃん!?どうしたの!?かずちゃああん!」

回想終了

俺は気を失ったのを覚えている。

て事は……


「お前……誰を闇に葬る気だ……?」


「え?何言ってるのよ~普通に勉強しておいしい料理作ってるだけだよ?」


「そうなのか?でも、料理作って誰に食べさせるんだ?もしかして彼氏とかか?」


「彼氏?何言ってんのよ~私、彼氏いないよ~、それに……」


「それに?」

「かずちゃん覚えてる?小六の時……」

覚えている、てかさっき思い出したんだが


「私の料理でかずちゃん、気絶しちゃったでしょ?だから気絶しないような料理を作ろうと頑張ってるの、かずちゃんに食べて貰おうかな?って思って」


「そう……なのか?」

「うん……」

里香は、少し照れた表情をする。

おお……何か嬉しい。

てことは……いつか食べさせてくれるって事か?


「今、研究中だから、訓練つんだらかずちゃんに教えるね?」


「あ、ああ」

俺達はそんな会話をしながら、学校へと向かっていた。


学校

時刻午前八時二十五分

学校は、四階建ての二校舎がある。

東校舎と西校舎、クラスがあるのは東校舎

西校舎には、音楽室や理科室などがある。

ちなみに俺と里香は同じクラスで、一年二組であった。


「おはろ~」

俺がそう言うと、女生徒が声を掛けて来た。


「な~に?その気の抜けるような挨拶は?」


「何だよ、別にいいじゃねえか」


「あんたの挨拶聞いてると、こっちまでへなへな~ってなるわよ!しゃきっとしなさいよ?しゃきっと!」


「へいへい」


「おはよ~椿」


「おっはよ~w里香~」

彼女の名前は、園咲椿。

ツインテールの髪をしている。

俺にとっては、ライバルでもあるし悪友でもあるし、戦友とも言ってもいいかも知れない。

黙っていれば美人で男にもてるかも知れないが、滅茶苦茶明るくて噂好きの奴なので彼氏はいないと思う、だって俺とゲーセン行って遊んだりするし、ちなみに格闘ゲームでは俺の圧勝、シューティングゲームでは奴の圧勝。

クイズゲームでは互角とっていいほど、同じ頭なのである。

まあつまり馬鹿って事だが、俺もだけど


「一体何だよ、お前、別のクラスだろ?」


「まあ、いいじゃない?まだ先公来ないしさあ~?それにね?和樹、あんたに言いたい事あったのよ」


「何だよ」


「今日暇?」


「あ?暇だったらどうだっていうんだよ」


「暇か聞いてんのよ、ちゃんと答えなさいよ」


「まあ、予定は無いな、暇だぜ」


「良し決まりw今日の放課後、校門の前に待ってるからね?じゃねw和樹」


そう言って、椿は自分のクラスに帰って行った。


「一体何だったんだ?椿の奴」


「さあ?でも……」


「どうした?里香」

俺は、何だか里香がちょっと落ち込んでる風に見えた。


「うんうん何でもない……よかったね……かずちゃん」


「?」

俺は、里香が何で落ち込んでいるのか、解らなかった。


「おい、何だよ?ま、いっか」

俺は、里香の事が気になったが、チャイムが鳴ったので、席に着いた。

そして、放課後。

そう言えば、”椿が校門の前で待ってる”って言ってたな?

このまま黙って裏門から行って、困らせるのもありかと思ったけど待たせるのも何だし、校門の前へと行く事にした。


校門前

時刻午後四時

校門前に行くと、椿が言ったとおりに待っていた。

俺が近づいた事に気がついてないらしい。

さ~ってどうしようか?

やっぱり、普通に登場するのも何だし……

驚かすか(ニヤリ)

俺は、そう決めると、後ろからそ~と近づいて


「よう!」

思いっきり椿に抱きつく、もちろん驚かしてやるつもりで抱きついている。

さ~ってどんな反応が返ってくるかな?


「あ……和樹……何すんのよ……恥ずかしいじゃない……人前で……こんな事……」


「あ、あれ?怒ると思ったのに?」

俺は驚いた、椿は顔を赤らめてそう言ったからである。

もしかして……俺の事が……好きなのか?

いや、椿の事だ、きっと直ぐに


「た……たく何すんの!もう!」

あ、いつもの椿に戻った。

一体何だったんだ?


「悪い悪い、でも今の顔」


「何でもないわよ!」

そう言ってるが、どう見ても真っ赤な顔をしている、照れてるのか?


「と、とにかく俺に何の用だ?」


「あ、そうだったわね、最近、ゲーセンとか行った?あんた」


「そういえば行かないな」


「実はね?いつもあんたとバトルしてるゲーセン新台が入ったの、だから一緒にやりに行かない?」


「そうだな……」

俺が考えていると


「あ、かずちゃんに椿、何してるの?」


そこへ里香がやって来た。


「あ、里香、もしかして今、帰りか?」


「うん、かずちゃんも?」


「まあ、そんな感じだな」


「あ、椿、かずちゃんに何を話したの?」


「実はね?ゲーセンに新しく新台入ったから、和樹誘ってバトルしようかな?って思ってね?

里香も来る?」


「う~ん、じゃあ行こうかな?どういう新台か、知りたいし」


「OK~じゃあ早速LETSGO~w」


「ああ」

こうして俺達は、近くのゲーセンへと遊びに行った。


時刻午後四時半

俺達三人は、いつも椿と対戦したゲーセンへと辿り着く。

中に入って、早速新台を探した。


「新台って、これの事か?」


「そ、前は無かったでしょ?」


「確かにな」

俺達が見つけたのは、「勇者バトル」と書かれた対戦アクションゲームであった。


「どういったゲームだ?これ」


「何でも、ラスボスに魔王って言うつよ~い敵を倒すとクリアできるんだって、丁度三人いるけど、どうする?これ二人用だし」


「里香はこのゲームやるのか?」


「う~ん、内容面白そうだし、やってみようかな?」


「じゃあ、こうしない?ジャンケンをして、先に勝った奴が、指名して?選ばれなかった者は、見学って事にしない?」


「いいぜ、早速じゃんけんしようぜ」


「よ~し、じゃん~けんぽんw」

俺達は、じゃんけんをした。

そして……


「やりぃ、俺が一番に勝ったぜ」


「む~、じゃあ和樹が誰と対戦するか指名してよ?」

「そうだな……」

俺は考えた、いつも対戦している椿とやるのも良いしまだ戦った事の無い里香とやるのもいいかもな、う~ん迷う……


「どうしたの?かずちゃん」


「どっちとやるか悩んでるんでしょ?ほら、和樹さっさと決めちゃってよ?」


「そうだな……じゃあ……椿とやるぜ」

俺がそう言うと、里香は


「そう……かずちゃん、がんばってね?」

そう呟いていた。

「ああ、解った」

俺は、そう言って、対戦台の椅子に座る。

隣に椿も座った。


「いい?手加減はしないわよ~?」


「ああ、こっちも手加減なんかしないつもりだが?」


「く~生意気言うわね?行くわよ!」


「ああ!」

俺達は、百円玉を機械に入れると、キャラクターを選ぶ、俺が選んだのは、金髪の男剣士、名前はリュートとあった。


「あんた、そんなの選ぶんだ?じゃあ私は、これね」


椿は、緑髪の格闘少女を選ぶ、名前はククルとあった。


「さあ、行くわよ~」


「おお!」


「かずちゃん~頑張って」

そう里香が、応援していたのが聞こえた。

そして、ゲームがスタートしたのだった。


「お?いきなりつっこんで来たな?けど無駄だぜ!」

俺は、いきなり突っ込んでくる相手に向かって、ボタンを押してガードしたりする。


「ふん、何とでも言いなさい、勝てばいいのよ!」

椿も、そう言ってボタンを押しまくる

結果はどうなったのかというと……


「へへ、どうやら俺の勝ちだな?」


「く、くやしい~」

勝敗は、俺の勝ちだった。

このゲーム、二本先取で勝ちという設定であったが俺と椿は、お互いに一勝取って、最後のラウンドでばっちり俺がKOを決めたのである。


「お前のなかなかやったほうだぜ?まあ、俺には勝てなかったけどな?」

俺は、ちょっと意地悪っぽく言ってみた。

すると椿は、真っ赤な顔で怒っている。

こうしてみてみると、ちょっと可愛いな……とか思ったりもしていた。


「いい?和樹!今度は私が勝つんだからね?覚えてなさい~!」

そう言って、椿は外へと出てってしまった。


「いいの?かずちゃん、追いかけなくて?」


「いい、俺が行ったら、お前一人になるだろ?」


「かずちゃん……」

俺がそう言うと、里香はちょっと嬉しそうな顔をしていた。


「それより、せっかく来たんだし、別の奴であそぼ~ぜ?」


「うん」

俺と里香は、別のゲームで遊んだのであった。



時刻午後八時

俺は、里香と別れて、家に帰っていた。


「ふ~、今日は楽しかったな」

そう言って、テレビを付ける。

テレビの内容を見ると、丁度占い番組が放送していた。


「ん?今週の特集は、恋愛についてか、どれどれ」

俺は、占いには興味無かったが、恋愛には興味があった。

テレビの内容を見てみると、Kのイニシャルを持つ人はた、嬉しい出来事が起こるでしょうと言っていた。


「嬉しい出来事か……確かに今日は、そんな事あったな、ゲームで椿に勝ったし」

そう言っていると、ピンポーンと玄関のチャイムが鳴る。

「誰だ?」

俺は疑問に思いながら、玄関に向かってドアを開ける、開けると、待っていたのは


「こんばんは、かずちゃん」

待っていたのは、里香であった。

里香は、手に荷物を持っている。


「何か用か?」

俺は、そう聞いてみる。

すると、里香は

「うん、ちょっとね?かずちゃん……もう食事しちゃった?」


「いや、まだだが」


「じゃあ……私……料理作ってきたの

かずちゃん……一緒に食べよう?」

里香は、そんな事を言ってきた。

俺は考える、もしかしてこれがテレビの言っていた。嬉しい出来事なのだろ~か?と

まあ、せっかく来たんだし、断るのもなんだし

俺は、OKする事にした。


「解った、一緒に食べようぜ、中に入りな」


「うんwお邪魔しま~す」

そう言って、里香は俺の家へ入っていった。


時刻八時十五分

俺の家のリビングに、食事を持ってきた里香が座っている。

こんな事は初めてなので、ちょっと嬉しい感じもしたりしていた。


「はい、今日、私が作って来たのはね?お弁当だよw」

そう言って、お弁当を見せてきた。

中身は、玉子焼きにタコさんウインナーと、お弁当のメニューには定番の具が揃っていた。


「お前が本当に作ったのか?」


「そうだよ~色々と勉強してね?さあ、一緒に食べよう?」


「あ、ああ……」

俺は、ちょっと迷っていた。

何故迷っているのかと言うと、昔の出来事を思い出したからである。

迷っていると

「私……かずちゃんの為に作ったんだよ……」

顔を赤らめて、里香がそう言ってきた。

それを聞いて、俺は嬉しくなった。

俺の為に作ってくれたって事は、好意を抱いているって事か?って思ったからである。

嫌いな奴だったら、弁当なんて作ってくれないな?


「そうか……じゃあ、頂きます」

俺は、覚悟を決めて里香のお弁当を食べる。


「あ、意外に旨いな」


「ほんと?」


「ああ、旨いぜ」


「ありがと~、かずちゃんにそう言って貰えると、嬉しいなw」


「さんきゅーな、俺の為に作ってくれて?もしかして俺の事が好きってか?」

俺は、ちょっと冗談を言ってみた。

俺の言葉を聴いた里香は、顔を赤らめて


「そうだよ……かずちゃん、私……かずちゃんの事、好き……朝言ったでしょ?かずちゃんに食べて貰おうかな?ってね?かずちゃんは、私の事……嫌い?」

里香はそんな事言ってきた。

俺の事好きだって!マジか!?と思った。

俺の答えは……考えるまでもなかった。

俺の為に料理を作ってくれる女の子って、今までいなかったからである。

それに里香は、美人だし、男子にもモテテいるって知っていたし

そんな里香が、俺の事を好きと……俺はこう言った。

「もちろん好きだ」

そう言うと

「ほんと?良かったあ……両思いだったんだね?嬉しい……かずちゃん……」


「何?」


「これからも、かずちゃんの家に遊びに行ったりしていいかな……かずちゃんも、私の家に遊びに来てもいいから……」

里香は、そんな事を言ってきた。

て事は……俺の彼女になってくれるということか?

「解った、遊びにきてもいいぜ?なあ……それって……俺の彼女になってくれると言う事か?」

俺は聞いてみた、すると里香は


「うん……かずちゃんの彼女になってあげる……」

すんなりOKしてくれた。

やったぜ!と俺は、心の中で叫んでいた。


「里香」

俺は、嬉しくなって里香に抱きついていた。

里香は、少し驚いていたが、何も抵抗もしないで俺に身を任せている。


「里香、これからもずっと一緒だぜ」

「うん……かずちゃん」

里香は、そう言って俺にキスをしてきた。

初めてのキスだったが、俺は嬉しかった。

キスが終わったあと、里香はこう言った。

「大好きだよ、かずちゃん」

こうして、俺の一日は終わった。

今日一日で、変わった事と言えば……

恋人に里香が出来た事であった……

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First ~Story during a day ~ レイド @reidsann

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