First ~Story during a day ~
レイド
第1話、First ~Story during a day 〜
ピピピピピピ……
目覚ましの音が激しく鳴っている。
「う~……」
俺は、目覚まし時計を探して、音を止めた
「ふわあ……朝か」
そう言って時間を見る。
時間は、タイマーセットしていたので、七時三十分となっている。
「今日は、月曜日か……はあ、かったりぃ……」
俺は、ベットから起きると、窓を開ける
「お~いい天気」
そう言って、空を眺めていたら、誰か歩いているのを見つけた。
「お、里香じゃね~か、よ~し」
俺は、里香に向かって、大声で
「お~~~す、里香~!」
「……?、あ、がずちゃん、びっくりさせないでよ~、もう……」
そう言っていた
外にいるのは、この俺、桐山和樹の幼馴染の、佐々木里香である。
ショートヘアーの髪型に、栗色の目、背は低いが、見た目はいいので問題はない。
どうやら、いっつも下駄箱とかにラブレターとかあるらしいが、持ち前の鈍さで、ラブレターを貰っても、「?」っと思って捨てるらしい……あげた奴、可愛そうだな~って思う
「一体どうしたの?かずちゃん、朝っぱらから大声出して?」
「いや、たまたま見かけたからな、一緒に学校行こうぜ?」
俺がそう言うと、里香はう~んと考えて
「う~ん、時間あるからいいよ~、一緒に行こう」
「じゃあ、ちょっと待ってろ」
「うん」
俺は、急いで服を着替えると、学生服を着る
こう見えても俺は、学生だ。よく大人に間違われる事も多いが、普通の男子高校生である。
俺は、すぐに外に出た。
「よ、じゃあ行こうぜ」
「は~い」
俺と里香は、一緒に学校へと向かった。
向かう途中。
時刻午前八時十分。
「ねえ、かずちゃん」
里香が、俺に尋ねる。
「何だ?」
「最近はまってる物とかあるの?」
「はまってる物?何でそんな事聞くんだ?」
「え?いや、ほらだって、一緒に登校するの久しぶりでしょ?小学校以来だし」
「そうだな……」
確かに昔は、里香と一緒に小学校へと通っていた覚えがある。でも中学に入って、別のクラスになって……そこからだったかな?
一緒に登校するのが無くなったのは……
「はまってる物か?そうだな、最近、面白い物を見るのにはまってるかな」
「面白い物?例えばどんな物?」
里香は、興味津々に聞いてくる。
「そうだな、例えばお笑い芸人とかかな、今、売出し中のサンサールズ知ってるか?」
「うん、知ってるよ~、確かにあの三人組のコント、面白いよね~w」
里香は、笑顔でそう言う。
よく見てみると、こいつ、結構美人だよな?
まあ、ちょっとぼけっとした所あるけど
「そういうお前は、何にはまってんだよ?」
俺は、里香に聞いてみる。
「私?私はね~……え~っと、料理かな?」
「料理~?」
「な、何?かずちゃん」
「お前確か……」
俺は思い出した、確か料理下手だって事
あれは、小学生六年の頃……
(回想)
俺は、良く里香と遊んでいたので、里香の家にお邪魔していた。
「かずちゃん~、私ね?お料理作ってみたの」
「ほんとか?里香?」
「うんw今、お母さん出かけてるから、かずちゃん食べてくれない?」
「いいのか!?」
「うん、いいよ~wは~い、たくさん食べてねw」
俺はその時、やったぜと思った。
里香の手料理を食べられるなんてって思ったからだ、俺は、里香の手料理を食べた瞬間。
「う……」
「かずちゃん!?どうしたの!?かずちゃああん!」
(回想終了)
俺は気を失ったのを覚えている。
て事は……
「お前……誰を闇に葬る気だ……?」
「え?何言ってるのよ~普通に勉強しておいしい料理作ってるだけだよ?」
「そうなのか?でも、料理作って誰に食べさせるんだ?もしかして彼氏とかか?」
「彼氏?何言ってんのよ~私、彼氏いないよ~、それに……」
「それに?」
「かずちゃん覚えてる?小六の時」
覚えている、てかさっき思い出したんだが?
「私の料理でかずちゃん、気絶しちゃったでしょ?だから気絶しないような料理を作ろうと頑張ってるの、かずちゃんに食べて貰おうかな?って思って」
「そう……なのか?」
「うん……」
里香は、少し照れた表情をする。
おお……何か嬉しい。
てことは……いつか食べさせてくれるって事か?
「今、研究中だから、訓練積んだらかずちゃんに教えるね?」
「あ、ああ」
俺達はそんな会話をしながら、学校へと向かっていた。
学校
時刻午前八時二十五分
学校は、四階建ての二校舎がある。
東校舎と西校舎、クラスがあるのは東校舎
西校舎には、音楽室や理科室などがある。
ちなみに俺と里香は同じクラスで、一年二組であった。
「おはろ~」
俺がそう言うと、女生徒が声を掛けて来た。
「な~に?その気の抜けるような挨拶は?」
「何だよ、別にいいじゃなねえか」
「あんたの挨拶聞いてると、こっちまでへなへな~ってなるわよ!しゃきっとしなさいよ?しゃきっと!」
「へいへい」
「おはよ~椿」
「おっはよ~w里香~」
彼女の名前は、園咲椿
ツインテールの髪をしている。
俺にとっては、ライバルでもあるし悪友でもあるし、戦友とも言ってもいいかも知れない
黙っていれば美人で男にもてるかも知れないが、滅茶苦茶明るくて噂好きの奴なので彼氏はいないと思う、だって俺とゲーセン行って遊んだりするし、ちなみに格闘ゲームでは俺の圧勝、シューティングゲームでは奴の圧勝。
クイズゲームでは互角とっていいほど、同じ頭なのである。
まあつまり馬鹿って事だが、俺もだけど
「一体何だよ、お前、別のクラスだろ?」
「まあ、いいじゃない?まだ先公来ないしさあ~?それにね?和樹、あんたに言いたい事あったのよ」
「何だよ」
「今日暇?」
「あ?暇だったらどうだっていうんだよ」
「暇か聞いてんのよ、ちゃんと答えなさいよ」
「まあ、予定は無いな、暇だぜ」
「良し決まりw今日の放課後、校門の前に待ってるからね?じゃねw和樹」
そう言って、椿は自分のクラスに帰って行った。
「一体何だったんだ?椿の奴」
「さあ?でも……」
「どうした?里香」
俺は、何だか里香がちょっと落ち込んでる風に見えた。
「うんうん何でもない……良かったね……かずちゃん」
「?」
俺は、里香が何で落ち込んでいるのか、解らなかった。
「おい、何だよ?ま、いっか」
里香の事が気になったが、チャイムが鳴ったので、席に着いた。
そして、放課後。
そう言えば、”椿が校門の前で待ってる”って言ってたな?このまま黙って裏門から行って、困らせるのもありかと思ったけど、待たせるのも何だし、校門の前へと行く事にした
校門前
時刻午後四時。
校門前に行くと、椿が言ったとおりに待っていた。
俺が近づいた事に気がついてないらしい
さ~ってどうしようか?
やっぱり、普通に登場するのも何だし……
驚かすか(ニヤリ)
俺は、そう決めると、後ろからそ~と近づいて
「よう!」
思いっきり椿に抱きつく、もちろん驚かしてやるつもりで抱きついている。
さ~ってどんな反応が返ってくるかな?
「あ……和樹……何すんのよ……恥ずかしいじゃない……人前で……こんな事……」
「あ、あれ?怒ると思ったのに?」
俺は驚いた、椿は顔を赤らめてそう言ったからである。
もしかして……俺の事が……好きなのか?
いや、椿の事だ、きっと直ぐに
「た……たく何すんの!もう!」
あ、いつもの椿に戻った。
一体何だったんだ?
「悪い悪い、でも今の顔……」
「何でもないわよ!」
そう言ってるが、どう見ても真っ赤な顔をしている。照れてるのか?
「と、とにかく俺に何の用だ?」
「あ、そうだったわね、最近、ゲーセンとか行った?あんた」
「そういえば行かないな」
「実はね?いつもあんたとバトルしてるゲーセン新台が入ったの、だから一緒にやりに行かない?」
「そうだな……」
俺が考えていると
「あ、かずちゃんに椿、何してるの?」
そこへ里香がやって来た。
「あ、里香、もしかして今、帰りか?」
「うん、かずちゃんも?」
「まあ、そんな感じだな」
「あ、椿、かずちゃんに何を話したの?」
「実はね?ゲーセンに新しく新台入ったから、和樹誘ってバトルしようかな?って思ってね?
里香も来る?」
「う~ん、じゃあ行こうかな?どういう新台か、知りたいし」
「OK~じゃあ早速LETSGO~w」
「ああ」
こうして俺達は、近くのゲーセンへと遊びに行った。
時刻午後四時半。
俺達三人は、いつも椿と対戦したゲーセンへと辿り着く。
中に入って、早速新台を探した。
「新台って、これの事か?」
「そ、前は無かったでしょ?」
「確かにな」
俺達が見つけたのは、「勇者バトル」と書かれた対戦アクションゲームであった。
「どういったゲームだ?これ」
「何でも、ラスボスに魔王って言うつよ~い敵を倒すとクリアできるんだって、丁度三人いるけど、どうする?これ二人用だし」
「里香はこのゲームやるのか?」
「う~ん、内容面白そうだし、やってみようかな?」
「じゃあ、こうしない?ジャンケンをして、先に勝った奴が、指名して?選ばれなかった者は、見学って事にしない?」
「いいぜ、早速じゃんけんしようぜ」
「よ~し、じゃん~けんぽんw」
俺達は、じゃんけんをした。
そして……
「やりぃ、俺が一番に勝ったぜ」
「む~、じゃあ和樹が誰と対戦するか指名してよ?」
「そうだな……」
俺は考えた、いつも対戦している椿とやるのも良いし、まだ戦った事の無い里香とやるのもいいかもな、う~ん迷う……
「どうしたの?かずちゃん」
「どっちとやるか悩んでるんでしょ?ほら、和樹
さっさと決めちゃってよ?」
「そうだな……じゃあ……里香とやるぜ」
俺がそう言うと、椿は
「え~何で?和樹?私とじゃないの?」
「いやだって、お前とはいっつもバトルしてるからな?それに里香がどれくらいの腕前か、知りたいし」
「私、多分負けちゃうと思うよ~?だって、これやった事ないし?」
「そうか、じゃあ……全力で相手してやる」
「え~?何でよ~かずちゃん」
「情けは無用、いくぜw」
「酷いよ~……」
「まあ、せいぜい頑張ってね~和樹~」
あのやろ~俺の事、ほんとに応援してねえな……。俺はそう思った
俺と里香は、椅子に座って百円玉を投入する
そしてレバーを持ってボタンを押して、キャラクター選択をする。
「かずちゃんは、何のキャラにするの?」
「俺か?俺は~、こいつにするぜ」
俺は、金髪の男剣士にした、名前はリュートとなっていた。
「じゃあ、私は……これにするね?」
椿は、赤髪ツインテールの女魔術師にした、名前はマゼンタとなっている。
「暇だから、カウントとるね~、れでぃ~ご~」
椿の合図と共にゲームがスタートする。
俺はすかさずボタンの連打を叩き込む。
「おらおらおらおら!」
「きゃ、滅茶苦茶本気だよ~かずちゃん」
「言ったろ?情け無用ってな?ほらほらほら!」
俺は、ボタンの連打をしまくった。
もちろん結果はどうなったのかと言うと
「YOUWIN、楽勝だぜ」
もちろん俺の勝ち、ちなみに二回勝たないと勝利にならないが
二さ、回とも勝った、一回もやられないで
「あう~……」
「ま、こんな日もある、またやってやるからその時は、鍛えておくんだな?」
俺はわざと意地悪に言ってみた。
「む~!今度は負けないからね?かずちゃん!」
「いいわよね?二人で盛り上がっちゃってさ~」
椿が、そんな事を行って来た。
「何だ?お前もやりたいのか?」
「ん~そうね、格闘ゲームはあんまり得意じゃないし、やめとくわ、それより他ので遊びましょう」
「じゃあ私も遊ぶ~」
「たく、しょうがねえな……」
俺達は、使おうと思っていた金額全てをゲームに注ぎ込んだのであった。
ゲーセンを出ると、外は暗くなっている。
時刻午後八時
俺は、里香と椿と解れて帰宅した。
そして、サンサールズのコントがやっていたので、テレビを見ている。
「しかし、今日はちょっと変わった一日だったな?」
俺は、そう呟いていた。
コントが終わったので、テレビを消して、食事でも取ろうかな?って思っていたら
プルルルルルル
電話が鳴った。
俺は、直ぐに電話に出た。
「はい、桐山です」
俺がそう答えると
「あ、和樹?」
声で解った、椿だった。
「何だ?俺に電話なんて珍しいじゃないか、何か用か?」
俺がそう聞くと
「うん……ちょっと和樹に話したい事があるの……今、公園にいるから来てくれる……?」
「公園?電話で話せばいいじゃないか」
「大事な事なの、電話じゃ話せなくて……」
「ふうん、解った、公園だな」
俺はそう言って、電話を切る。
しかしいつもと椿との様子が明らかに違っていた。
一体何かあったのか?って思った。
俺は、直ぐに公園に向かった。
公園
時刻午後九時
暗闇の公園、人がほとんどいない。
灯りはベンチの側にある蛍光灯だけだから、余計に暗い。
ベンチに椿が座っているのを見つけた。
俺は、話しかける。
「よう、大事な話って何だ?」
俺がそう尋ねる、椿は俺を見つけると、少し顔を赤くした。
「実はね……私……」
さらに顔が赤くなる、見てるとこっちまで赤くなるな……
「私、貴方の事が好きなの」
「は?」
俺は驚いた、いきなり椿に告白されたからである。
「おいおい冗談だろ?」
「冗談じゃ無いわよ、本当に好きなの、だって和樹さ、私に抱きついたでしょ?その時嬉しかった……」
「……」
あれは驚かす為にやったのにな……
嫌がると思ってたのに、そうだったのか……
「実はね?和樹と一緒に遊んでで気がついたの、一緒にいると楽しいし、それに……生意気な事ばっかり言ってたけど、ちゃんと歯向かってくれたし、私が誘った時、何も迷わないでOkしてくれたでしょ?あと抱擁も……」
う……そこまで思ってくれてたのか……
気がつかなかった。
「だから……私、本当に……和樹の事が……大好きですあ。和樹は、私の事、好き?」
俺は、考えた。
生まれて始めての愛の告白。
一緒にいつもゲーセンでバトルした相手。
確かに椿といると楽しかった、それに悪戯で抱きついてもあんまり怒ってなかったし
俺も……椿の事が……好きなのかも知れない。
「俺も好きだぜ」
そんな事を言っていた、言った後って急に恥ずかしくなるな……その言葉を聴いた椿は
「嬉しいwじゃあ両思いって事だよね?良かったあw」
本当に嬉しそうな笑顔になる、思わず見惚れてしまった。
「実はね?里香と一緒にゲームしてた時、本当は嫌だったんだ……仲良しそうに見えて……でも私を選んでくれた……ねえ?和樹」
「何?」
「お互い好きなんだから、これから隠し事とかしないようにしましょう?いいよね?」
「ああ、いいぜ」
「じゃあ、私の……恋人になってくれるよね?」
恋人、つまり俺の彼女って事か?
それってかなりいいじゃんwと俺は思った。
「ああ、なってやる、椿」
俺がそう言うと、椿は
「ほんと!?wじゃあ……私の恋人になった記念に……」
そう言って、顔を赤くする。
「な、なんのき……」
俺が言おうとすると、椿は唇を重ねてきた。
つまりキスをしてきたのであった。
椿は俺とのキスをした後,こう言った。
「大好きだよw和樹w」
こうして、俺の一日は終わった。
今日一日で、変わった事と言えば……
恋人に椿が出来た事であった……
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