ホラー作品の醍醐味である「得体のしれない何か」が近づいてくる感覚。本作は、その展開が上手くて、学校の先輩から自分の友人、そして主人公へと近づいてくる「何か」が緊張感を高めていく。そして、この小説が他の作品と違うのは、さらにその先があるということ。それが何を指しているのかは、あなたの目で確かめてみて下さい。
アイデアが秀逸だと思いました。読み終わった後、やられたなって思いました。読後感として妙な後味の悪さを感じ……。
いつからそれはそこに生えているのか? 地に根を張り、天高く枝を伸ばし、生い茂った木の葉で空を隠して、やがてころころと転がる実で人の命を奪う……。 呪いとは、人のなかより生まれ、やがて人の命を糧に勝手に育つものなのだろうか? そんな恐ろしい呪いの一部に、あなたもなぁれ。