第6話
「はぁー。疲れたぁー」
僕はわざわざ僕用に用意してくれたトイレで一人ため息をつく。
ちなみにだが、僕用に用意してくれたって言ってもここは元々女子トイレ。つい最近まで普通に女子が使っていたトイレである。……なんか、こう。ちょっと興奮するよね!女子トイレ!
「あぁー」
僕は魂付きかけたようなうめき声を上げる。
大変だった。本当に大変だった。びっくりするくらいに大変だった。死ぬかと思った。
僕の自己紹介の後、すぐに始まったのは僕への質問攻め。みんなが一斉に僕のもとに集まってきた。クラスメートだけでなく学校中の生徒、先生が。
一時間目の授業も、二時間目の授業も授業にならずに混乱が続いた。
僕たちのクラスはすし詰めになり、僕は神無月に助けられていた。神無月が僕の前に立ち、誰も僕に振れられないようにガードしてくれたのだ。……神無月の目がハートに、嗜虐的な笑みを浮かべていたことに底しれない恐怖を抱いたけど。
いやぁー混沌を極め尽くした光景だった。
やっぱり無理だったかぁ。まだ少し早かったのかもしれない。
僕は諦めないけど。
でも今日はもう無理だね。
トイレ行くから!って言ってなんとかトイレまで逃げたけど。トイレに逃げてくるまでが大変だった。婚活パーティーを思い出した。
あのときほどの恐怖ではなかったけど。
彼女たちは男子トイレに入ってくることは出来ない。
犯罪になるし。
まだ僕を囲んで声をかけてくる程度だと厄介なことに犯罪ならないので、僕はどうすることも出来ない。
犯罪。そう聞けば止まってくれるほどに成長してくれたのだ。
「ふぅー。あぁー、後どれくらいだろう」
このままとりあえず5時間目くらいまではトイレに潜んでいるつもりだ。
それで、5時間目始まったときにこっそりとゲーム部の部室に行くつもりだ。
水面や神無月、エスプリの夢精の処女のメンバーはみんなゲーム部所属なんだそうだ。
みんなには挨拶したいから、ゲーム部の部室に行きたい。
気配を消すのはもう手慣れたものよ。
僕はロープをバックから取り出し、準備を始める。
普通に廊下を通っていたらバレてしまう。
一回この4階から外にまで窓を使って、降り、その後別の棟にまで歩いていき、壁をせっせと登って別の棟の3階にあるゲーム部の部室に行く、というのが僕の行動方針だ。
きっと僕ならば成功を掴む事ができるだろう。
『国立能力女子学校の最強生徒会長様が女装中の男の子な件について』https://kakuyomu.jp/works/16816927860303405613/episodes/16816927860313958022
『死に戻り系転移者である僕が騎士団を辞めて旅にでたら、ヤンデレ騎士団長がついてきた件について』
https://kakuyomu.jp/works/16816927860303860434/episodes/16816927860309409986
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