第10話
婚活パーティー。
そのルールは酷く簡単なものだった。
5時間もの長い間女に捕まらないようにするだけだ。
シンプルなルール。
それ故にクリアするのは酷く難しい。
人外じみた運動能力。人外じみた男への感知能力。
前世での大日本帝国が真正面から米帝に勝利するより難しい。
場所はそこそこの大きさと頑丈さを持った学校。
ここは日本で唯一の男子校らしい。生徒数はびっくりするくらい少ないので、全て税金によって運営されている。
今から3時間後に外にいる女たちが一斉に学校に侵入してくるらしい。
それまでの間は学校にあるものを自由に使ってバリケードを作っていいらしい。
学校には様々なものがあるので、なんとか対抗できるだろうから頑張ってほしいとのことだ。
僕は和葉を思い浮かべる。
……え?ちょっと水爆が必要だと思うんだけど?ツァーリ・ボンバはどこ?出力最大のツァーリ・ボンバはどこ?地球上で実験することなんて出来ないなんて言われいるほどのツァーリ・ボンバは一体どこ?
「おい!」
僕は女男の腹を優しく蹴り上げる。
男に優しくしてあげる義理はない。
「いった!?何をするのさ!」
「何をするのさ!じゃないよ。バリケード作るから手伝え」
「え!?」
僕の言葉には女男は驚愕に目を瞠る。
「無理だよ!そんなの!」
女男は叫ぶ。
「僕達はもうおしまいだ!」
女男は悲痛気な顔をして叫び、崩れ落ちる。
「もうだめだぁ、おしまいだぁ。……殺される。……みんな殺される……。逃げるだぁ……勝てるわけがない」
女男はどこか聞いたことがあるような言葉をつぶやく。なんだこいつ。
もしかしてこいつにも前世の記憶があるのか?それともこいつの前世は野菜の王子様なのか?
「ほら、しっかりとしろ」
僕は崩れ落ちた女男の胸ぐらを掴んで持ち上げる。
「うげぇ!?」
女男は汚い悲鳴を上げ、つばが僕のほうまで飛んでくる。
……なんかあったらこいつをいの一番に囮としてやる。
「元々戦争なんてものは男がしてきたんだよ。男の仕事だったんだ。こと戦いで女が男に勝つなんてなかなか難しいんだよ」
「そ、そんなわけ……」
「ないじゃないんだよ。事実なんだよ。いくつもの戦争を戦ってきたのは男だ。棍棒を持ち、剣を握り、銃を構えて。お前も日本人だろう。先人たちが持っていた大和魂を見せてみろ。地獄のような中国で戦った日本兵の、お前の先祖の強さを見せてみろ」
「うへぇ」
僕は女男を床に落とす。
「良いか!よく聞け豚ども!」
僕はこの場にいる全員に聞こえるように大きな声で告げた。
カクヨム用の短編小説。
『怪異慣れしすぎたせいか口裂け女程度じゃビビりません!』
を投稿したのでよかったら見てください!
せめて!せめてリンクを踏むだけでも!!!
https://kakuyomu.jp/works/16816927859314788773/episodes/16816927859314799011
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