第27話 球技大会前日・噂
憂鬱な月曜日、頑張って僕は学校に向かった。
学校のある月曜日は憂鬱だと言うが、学校に行ってしまえば、大したことではない。
所詮はその時の気分を言葉で表しているだけだ。
球技大会は今週の木曜日、みんなその日に向けて放課などの時間を使って練習していた。
僕はクラスのリーダーの仕事で昼に呼び出されるはで、大変だった。
そんな日がここ三日続き、気づけば球技大会前日、時間が過ぎるのは早いものだ。
「最近、雫ちゃん、見ないな」
「確かに、そうだね。祐樹は何か知らないのか?」
「いや、僕も特に何も…そういえば、今週、会ってないな」
今週にあって僕たちは雫にあっていない、僕はあまり疑問には思わなかったが、みんなに言われて「確かに」と思った。
「祐樹くん…ちょっといいかな?」
玲香が僕の机の前にきて話しかける。
「な…何?」
「球技大会の運営なんだけど…」
「あ…あれね」
クラスの委員長は球技大会の運営の手伝いをすることになっている。
そして玲香と僕はその運営で同じ仕事を任された。
それは「球技大会の実況補佐」である。
午前と午後で分担しようという話になっているんだが、球技に使う道具なども全部、僕たち委員長がしないといけないから、時間をしっかりと合わせないといけない。
「玲香…さん、そんなに気にしなくていいよ、奈々や斎くんも手伝ってくれるみたいだし」
そう言うと玲香は少し膨れた顔をするが、わかったかのように察して
「わかった…お互いに頑張りましょうね!」
「…うん!」
「奈々には絶対に負けられないもの!」
「お、おう」
そう言って女子の集団に戻っていた。
なんであんなに奈々に対抗心、燃やしてるんだろう?
「お前、よく玲香さんと話せるよな」
「確かに、普通の男なら、戸惑ってまともに話せないしね」
「う〜ん、慣れかな」
そう言うとキョトンとした顔をする二人。
「ま〜そんなことよりも、雫の件…」
「あ〜そうだった、で今日の帰りにさぁ、ちょっと教室に行ってみないか」
「え、ほんとに言ってるの?」
「当たり前だろう!雫ちゃんが心配じゃないのかよ!」
「それは…ま〜心配だけど」
「じゃあ、決定な!」
そんな話をして、気づいたら、帰りの時間になっていた。
僕たちは、3人で雫のクラス6組に向かった。
うちの学校は3階は1年、2階は2年、1階は3年に分かれているが、なんせ、うちの学校は無駄に広い、だから、あまり6組のことは知らない。
そんな状態で僕たちは6組の教室の前にまできた。
「ここ、6組か〜」
蓮が教室を覗くと女子以外、みんな帰っていた。
「雫はいないみたい」
「ま〜雫が教室に残っているわけないよ」
だってあいつ友達少なさそうだし、僕が言えてことではないけど
「なんで、そう思うんだよ」
「いや〜」
「まあまあ、落ち着けって源、みた感じはもういないし、今日は帰ろう、それに明日は球技大会だしどこかで会えるよ」
「そ、そうだな。ごめん、熱くなり過ぎた」
そして僕たちは帰った。
僕は途中で寄り道してコンビニに向かった。
コンビニに寄り道したのはアイスが急に食べたくなったからだ。
「アイス!アイス!」
僕はアイスが大好物、ちっちゃくスキップをしながら家に向かうと公園で一人の女の子がブランコを漕いでいた。
制服は僕と同じであれ?どこかで…
するとブランコから降りて僕の方に向かってくる。
「お久しぶりですね!」
「う、うん」
例の女の子だった。
「すいません、遊びに行きたかったんですけど、いろいろ大変でして」
「そう、なんだ…ハハ」
何を話したらいいんだ?こういう状況に慣れてないから
そういえば、名前聞いてないな
「そう言えば、僕まだ、名前聞いてないんですけど…」
ボソボソと声を出す。
「あ!そう言えば、言ってませんでいした!これは失態です。では改めまして、私の名前は群青紗夜といいます。」
「よ、よろしくね、さやちゃん」
「いきなり紗夜ちゃんですか、大胆ですね」
「あ、いや、別にその…」
「全然いいんですよ」
紗夜ちゃんのにっこりとした笑顔に胸を打たれそうになる。
「なんで公園にいたんですか?」
「逆になんで敬語なの?」
僕は何も言えなかった。
正直、すごく緊張している。
少しは慣れたと思ったんだけどな〜そんなことはなかった。
「実はですね、最近、6組で変な噂が流れてるんですよ」
「…噂?」
そして紗夜ちゃんは6組に流れている噂について話してくれた。
どうやら紗夜ちゃんには中学の頃の友達が6組にいるらしく、その噂を聞いて心配になった。
それで心配になって6組にいって話を聞いたら、『話しかけないで』と断られたらしい。
その噂というのが学校でよくある話の『いじめ』だ。
しかし、いじめと言っても他の高校とはレベルが違う。
なんて言ったって、ここはある程度金持ちや権力持つ生徒も入学してくる。
玲香や奈々は別格だが、それでもある程度権力など持つ生徒はまあまあいる。
だから、小さないじめなら普通に揉み消すことができる。
うちの高校は一回いじめで大きなニュースにもなっている。
そして今、いじめの噂が出ている。
僕は少し嫌な予感がした。
「具体的にはどんないじめなの?」
聞いてみるか、少し迷ったが僕は聞いた。
「聞く?私としてはなんで噂で収まっているのかが…」
僕は騒然とした。
「…聞くよ」
そして僕はいじめの内容を聞く。
陰キャの僕が陰キャなりの高校生ライフを送る 柊オレオン @Megumen
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