劇は終わりました。

 観客たちが帰ると、おじいさんはいたずらな人形たちを一つ一つ大事そうに、通りに面した出窓のそばに置きました。 

 こうしておけばきっと、通りがかった子どもたちが、この人形たちのことを思い出してくれるでしょう。それにひょっとしたら誰かがふと、この人形をまた動かしてみたいと、思ってくれるかもしれません。

 おじいさんは優しく一つ一つの人形を撫でてやりました。


 ワゴット、ピピン、ジベール、そして一番奥に二人寄り添うように置かれていたのはもちろん、ヨゼフとアンナでした。

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人形たちの夜 夢路こころ @yuto88

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