最終話

次の日になり、朝おきて、カレンダーを確認してみると、十二月二十六日の火曜日となっていた。確か……今日は、通っている高校、星陵高等学校の終了式。つまり、明日は、冬休み突入だった気がする。じゃあ、そんなに持ち物は、必要ないな?と思い、朝ごはんと取った後、制服に着替えて、鞄の中身を、ほとんど入れる事なく、軽いまま、外に出る事にした。

外の天気は、曇っていたが、そんなに風は、吹いていなく寒く感じる事はなかった。

西村舞としてなら、隣の幼馴染、初崎孝之を起こしに行くのだと思うけど、別にやらなくてもいいんじゃね?と思っていると


「お、舞、待っててくれたのか?」

そう言いながら、孝之がやって来ていた。

別にお前の為に、待っていたわけじゃあ、ないんだがな?


「別に、待ってないわ」


「そう言うなよ?一緒に行こうぜ?」

そう言って、無理矢理、手を握ってきた。

振り解こうとしたが、力が強く、振り解けそうになかったので、結局、手を繋いだまま、高校へと向かう羽目になってしまった。

通学途中、そう言えば、聞きたい事があったので俺は孝之に聞いてみる。


「孝之?」


「何だ?」


「昨日、香織とデートしたんでしょ?どうだった?」


「どうだったって、普通に楽しかったけど、お、もしかしてやきもちか?」


「なわけないでしょ」


「っち、まあ、でもやっぱり俺は、舞と一緒にいるのが一番いいな」


「はあ……」


「何だよ」


「私以外に、彼女でも作る気はないの?」


「いや、無いな!」

即答だった。もうちょっと考えてくれてもいいんじゃないか?やっぱりと言うか、どういう訳か、俺に対しての好感度がMAXの状態らしい

そう考えていると、星陵高等学校に辿り着く。

校舎の中に入り、孝之と同じクラスなので、同じ教室の中に入った。教室の中に入り、自分の席について、持って帰る物を鞄の中に入れる作業に、する事にした。作業が終わり、ぼ~っとしていると、チャイムが鳴って、担任の先生が入ってきて、こう言って来た。


「今日は、終業式だから、校長の話があるので、体育館に向かうように」

そう言っていたので、体育館に向かう事にした。体育館に向かうと、全校生徒が集まっていて壇上の上に、校長らしき人がいた。

「え~、明日から冬休みに突入するのだけど、正しく真面目に生活するように」


そんな感じの言葉を並べて、数十分ぐらい話があり、ちょっと眠くなってしまい、つい寝てしまった。そして……目を覚ましてみると、香織が目の前にいて


「舞?結構寝てたみたいね?」


「そう見たい……」


「ねえ、舞?終業式が終わった事だし、どっか遊びに行く?孝之君も誘ってあるわよ?」


孝之と……?何で孝之と行かなきゃいけないんだと思い、断ろうとすると


「お、まだ残ってたんだな?」


孝之がやって来て、そう言ってきた。


「うん、で、今、舞を誘ってたんだけど……どうする?」


「なあ、舞?行こうぜ?せっかくの冬休み突入なんだからな?」


そう言ってきたので、断れそうになく


「はあ……分かったわよ」

そう言って、一緒に遊びに行く事になった。

三人で相談して、遊びに行く事になった場所は、遊園地だった。こんな真冬に遊園地なんて楽しいのか?と思ったが、遊園地に辿り着いたら、そんな気持ちもふっとんでしまった。


「来てよかっただろ?」


「ま、まあいいんじゃない?」


「じゃあ、まず片っ端から乗り物を制覇していきましょうー」


「おー」

そう二人が言うので、色々な乗り物に乗る事になった。最初にジェットコースターに乗り、そして次に急降下するフリフォールと呼ばれる絶叫物、三回転半するループコースターに乗って、結構楽しめた。あっという間に時間が過ぎていき、夜になって、冬限定なのか、雪だるまを象ったライトアップで園内を照らしていて、結構綺麗だった。

景色を見ていると、香織と孝之が何かぼそぼそと二人で話し合っていて、一体何なんだ?と気になったので


「二人とも、どうしたの?」


「いや、何でもないぞ、な?」

「ええ、あ、最後に観覧車に乗って、帰りましょう?」


「え、観覧車?」


「ほら、行きましょう」

香織が手を握ってきて、無理矢理、観覧車のある場所に連れてかれた。そして観覧車に辿り着き、三人で中に入ろうとすると、香織が


「じゃあ、私はこれで、舞?頑張ってね」


「え、ちょ、香織!?」


香織が俺と孝之を観覧車の籠の中に押し付けて、その場からいなくなってしまった。俺は出ようとしたけど、係員が扉を閉めてしまって、観覧車がゆっくりと動き出してしまい、狭い個室の中に孝之と二人っきりになってしまった。


「やっと二人っきりになれたな」


「……香織と二人で仕組んだでしょ?」


「ああ、こうでもしないと二人っきりになれなかったからな」


「……で、何で私と?」


「決まってるだろ?好きだから、だよ」


「……それ、本当?」


「本当だよ、キスしたのだって舞だけだし、普通解るだろ?」


「……私は、孝之の事、嫌いよ」


「いーや、そう言ってるけど、嫌いだったら、一緒に来なかっただろ?」


「それは、香織が……」


「で……改めて言うけど、舞、俺と付き合ってくれ」


「……断ったら?」


「OKしてくれるまで、何回も舞に会いに行くし、それに俺の親も舞がお嫁さんになってくれたらって言ってるんだぜ?」


これは……断れそうになかった。真剣な顔をしているので、嘘を言っている風には全く見えなかった。しかも個室なので逃げ場がない。


「…………あーーー!もう、解ったわよ、付き合えばいいでしょ!?」


「よっしゃ!舞、大好きだ!」


そう言って、キスしてきて、驚いてしまった。

しかも舌も入れてきて、長めなキスになって、息が苦しくなってきたので


「い、いきなり何するの……」


「だって、舞が俺の彼女になったのかと思うと、興奮してな……だから」


「だ、だから?」


「……もっと舞と愛し合いたい」

そう言って、手が服の中に入ってきた。


「ちょ……あ……」

胸を揉んで来て、感じてしまい、つい声が出てしまいしかも全くやめようとはせず、最初は軽くだったけど、どんどん強く揉んで来て、体が火照ってしまった。


「ちょっと、こんな場所で……」


「と言うか、よく見たらこれ、止まってるよな?」


「……え?」

確かに外を見てみると、頂上付近で籠が全く動いてなかった。


「それに両隣を見てみると、他に客乗ってないみたいだし、誰にも見られないって」


「だからって……あ……」


孝之がそう言って、胸を揉み解していると思ったら、いきなり胸元を開いて、吸って来た。

「ちょ……あ……う、す、吸わないで……」

「嫌だ、だって、舞の胸だからな」

そう言って、ちゅーちゅーと赤ん坊が吸うみたいに、吸っていき、自分で感じたけど、これ……濡れてきた感じがした。

「乳首がたって来てるから、感じてるんだな?舞……じゃあ、下の方も」

そう言って、手をスカートの中に入れてきて、あそこを直接触ってきた。


「ちょ……あ……あ…う……」


指が中に入った感触がして、ちょっと変な気持ちになってしまいつい声が出てしまった。


「やっぱり、濡れてる……舞、俺、もう我慢出来ない!」


「待った、こんなとこでやるつもり!?」


「じゃあ、俺の部屋で……いいか?」


これは、断れそうにないなあ。もう覚悟を決めるか……


「わ、わかったわよ、初めてだから優しくね……?」


「あ、ああ!」


遊園地から帰った後、その後、俺は孝之と愛し合う羽目になってしまった。もう感情が孝之に抱かれても良いってなってしまってるので、こらは攻略されちゃったんだろうなあ……と実感してしまうのであった。


その後

彼女になったんだし、ゲームクリアして元の世界に戻れるんじゃないか?と思っていたが……結局

元に戻れず、しかも……


「おお、大きくなったな?うん、楽しみだ」


孝之がそう言って、俺のお腹を撫でる。

俺のお腹には、新しい命が宿っていた。

どうやら、あの夜の性行為で、ばっちりと妊娠してしまったらしい。結局戻れないし、もう諦めるしかなかったので、ちなみに孝之の両親は大層喜んでるみたいだった。

孝之と妻として、生活していく事に納得する事にしたのであった……



~HAPPYEND~




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気がついたら、攻略されそうです。〜ヒロイン編〜 レイド @reidsann

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