第14話

次の日、俺は目覚まし鳴ったので、それを止める為に起きた。起きて、最初に確認する事は、まず部屋の模様を見てみると

そこにあるのは、昨日と同じく、西村舞の部屋だったので、やっぱり男には、戻っていないんだな……と実感。

とりあえずカレンダーを見てみると

昨日、クリスマス・イブだったので、今日は、十二月二十五日の月曜日、クリスマス当日だった。まあ、クリスマス当日と言っても、学校はちゃんとあるので、俺はとりあえず、洗面所に向かい、顔を洗う事にした。

洗面所に辿り着き、顔を洗い終わって、鏡を見てみる。そこに写っているのは、紛れもなく西村舞の顔で、水色の髪がちょっと跳ねていて

寝癖らしき物が、ついていた。

とりあえず、それを櫛で整えて、整え終わった後、リビングに行くと母親の西村恵子さんと

父親の西村新三郎がいた。


「あ、おはよう、舞」


「おはよう」


「おはようございます」

そう言ってから、椅子に座り、出されている朝食を見てみる。朝食のメニューは、白いご飯に味噌汁、焼き魚と言った、和風一色の料理で

白身魚が結構美味しく、ついご飯を二杯、お代わりしてしまった。食事が終わった後、恵子さんが


「今日も、孝之君と一緒に行くのでしょ?」

そう言って来たので、どうしようかな……と迷い


「いや、今日は一人で登校してみるよ」

そう言うと


「そう?貴女がそうしたいなら、そうすればいいのじゃない?でも、孝之君、がっかりするんじゃないかしら?」


「……がっかりさせていいと思ってるから、じゃあ、着替えて学校に行くよ」


そう言って俺は、一度、部屋に戻り、学校の制服に着替える。もう何と言うか……女子の制服を着る事に、全く抵抗感が無くなったって感じだった。着方も、スムーズに着こなして、寒そうなので、首元にマフラーを巻いて、外に出る。外の天気は、木枯らしが吹いていて

学校のスカート姿だと、足元が寒く感じられた。ゲーム「ラブチュチュ2~運命の選択肢~」通りだと、俺、西村舞は隣の家の初崎孝之を毎朝一緒に登校する幼馴染のポジションだが

今日は別に行かなくていいよな……と思っていると、孝之が家から出てきた。


「お、舞、待っててくれたのか?」

とか言ってきやがった。別にお前の為に待っていた訳じゃないからな?


「別に、孝之の事を待っていたわけじゃないわ」

そう言うと


「冷たいな、昨日のデート、楽しかっただろ?」

そう言って来やがった。あれは、お前が無理矢理誘ったんだろう?しかも、無理矢理キスして行きやがって……そう思っていると


「遅刻すると不味いし、行こうぜ?」

手を握って来そうだったので、それをひらりと避けて、孝之の事を無視して、学校へ行く事にした。街中を数分歩いていると、街灯はクリスマス一色だし、歩いている人も、カップル繋ぎで歩いている者や、お店の前で、サンタの格好をした女性が「クリスマスケーキ、発売中です」とか言って売っていた。

うん、クリスマスだとこれは、定番な光景なのかな……と思いながら、通っている高校、星陵高等学校に辿り着く。

俺と孝之は、同じクラスなので、二年二組の教室に入り、俺は、自分の席に座り、鞄の中身を

机の中に入れる作業をした。

その作業をしていると


「おはよう~舞」

そう言って来たのは、同じクラスで攻略対象キャラでもある志木香織だった。


「おはよう、香織」


「ね~舞?もしかしてさ?昨日、孝之君とデートとかしたりした?」


「何でそう聞くの?」


「いや、実はさ~昨日見ちゃったんだよね?舞と孝之君が、映画館を入るとこ、恋愛映画見に行ったでしょ?」


見てたのか……なら、声をかけて欲しかったぐらいなんだが?


「見に行った、と言うかあれは、孝之が無理矢理誘って来たの」


「そう?映画館の内部って、薄暗いじゃない?しかも恋愛映画、そしてクリスマス・イブ……中で何かやったのかな~?」

なんか、ニヤニヤ顔でそう言ってきたけど

別にこれと言って、Hな事とか無かったから


「別に何も、ただ映画を見て、即効帰っただけよ」


「ふ~ん、そうなの?孝之君」


「ああ……俺としては、もうちょっといたかったのに、急に帰るとか言うんだぜ?でも、帰り際にな……」


「孝之!それ以上言わないで」


「何か、やったの?」


「ああ、キスとかした、結構気持ちよかったかな?」


「ほうほう……で、舞はどうだったの?」


「無理矢理孝之がしてきたの、私からした訳じゃないわ……」


「でも、嫌じゃなかったんじゃない?」


「確かにな、嫌だったらすぐに離すけど、そうならなかったしな?」


「ほうほう……ま、今日も恋人達には、絶好のイベントデーよ?」

そう香織が言うと、孝之が


「そうだな……舞、今日も」

俺は、その先は言わせるか!と思い


「却下、孝之と二人で何所かに行くとか、お断りだから」


「……まだ何も言ってねえだろ……」


「あらら……振られちゃったね、じゃあ私と何所かに行く?孝之君」

ん?これは、チャンスか?思ったので、一気に畳み掛ける事にした。


「そうすれば?孝之、香織がせっかくデートに誘って来てるんだからさ?」


「で、でもな……」


「私に気を使わなくても構わないわよ?」

そう話していると、チャイムが鳴ったので、香織が「じゃあ、この話は、また放課後ね?」と言って、自分の席に戻っていった。

そして、担任の先生が入ってきて、こう言って来た。


「今日の授業が今学期最後の授業よ?明日が、終業式だからそのつもりで、では、授業を始めますね?」

そう言って、授業が始まった。

授業内容は、前よりもちょっとだけ難しくなっていて、まあ、黒板の文字をノートに書き写す作業でいいかな?先生が名指して、当てようと言う雰囲気を全く出していなかったので

黒板の文字をノートに書き写す事にした。

そして時間が過ぎて、お昼の時間になった。

今日は、お弁当を自作していなかったので、学食に行く事にした。

学食に行くと、もう既に沢山の生徒が券売機の前に並んでいて、俺もその列に並ぶ。

数分経過して、どれにしようかな……と悩み、天ぷらうどんにする事にした。

しかし……お金を払わず無料って言うのは、なんかお得な感じがするな……

食券をおばちゃんに渡して、天ぷらうどんが出てきたら、空いている席を探すと

蕎麦を啜っているラブチュチュ2~運命の選択肢~」の攻略対象キャラの一人、一年生の水無月あかねちゃんがいた。

俺は、あかねちゃんに声をかける事にした。


「隣いいかな?」


「あ、舞先輩、いいですよ?」

そう言ってくれたので、隣に座る。

改めてみてみると、ロングヘアーの栗色の髪が綺麗で思いっきり美少女って感じがするなあ……じ~っと眺めていると


「ど、どうしたんですか?舞先輩、私の事を見つめて来て……」


「あ、ごめん、綺麗な髪だなあ……と思ってね?」


「舞先輩も素敵じゃないですか、胸も大きいし……」


「そう?でも胸が大きいと、肩がこるから、あまりいい事ないわよ?」


「そんなもんなんですか?」


「ええ」


「でも、やっぱりうらやましいです……」

そう話しながら、天ぷらうどんを食べてみた。

味に関しては抜群で、結構美味しく、これなら二杯目もいけるかな?と、思ってしまった。


「あ、食べ終わったので、私はこれで」


「あ、うん、さようなら」


「はい」

そう言って、あかねちゃんは、食堂から出て行った。俺も食べ終わったので、教室に戻る事にした。教室に戻ると、香織が話しかけてきて


「孝之君、やっぱり舞と一緒に何所かに行きたいんだってさ?舞は、どうする?」

と聞いてきたので、俺はこう答える事にした。


「私は、断るよ?香織と二人で行ってきたら?」

そう言うと、孝之が


「え、でも俺は舞と……」


「はいはい、舞がそう言ってるんだから、私と一緒に遊びに行きましょう?それとも私とじゃ嫌?」

なんか香織が、胸を強調して上目遣いに孝之の事を見上げて言ってきた。すげえ上等テクニックじゃないか?それ、男なら胸の谷間を見るんじゃないか?と思ったら、案の定

孝之は香織の胸を見ている事に気がつき

俺はと言うと


「ほら、香織もこう言ってるんだからさ?遊びに行って来れば?」


「でも、舞、やきもちやかないか?」

何で、孝之に対してやきもちをやかなきゃならんのだ?と思ったが、深く考えない事にして


「いいえ、楽しんでいけば?私は、やきもちなんか焼かないわよ?」

と、笑顔で言ってやる事にした。

そう話していると、チャイムが鳴ったので、話すのをやめて、席に着く。

午後の授業が始まり、授業内容は、それほど難しくなく

教科書の文章を音読するとかをやって、あっという間に終わった。

授業が終わったので、俺はと言うと陸上部に入っているので、身支度を整えて、校庭に出る事にした。校庭の端にあるプレハブ小屋の中に入り体操服に着替えて、校庭に出る。

陸上部顧問の山本先生が「今日は、最後の練習とします、百メートルダッシュ4本と、二百メートルダッシュ4本にしたいと思います、では、始め!」そう笛をならして、陸上部の練習が始まった。胸がでかいからか、走っている時に乳首が擦れて、ちょっと痛く感じた。

走り終わって、荒い息を吐きながら、休んでいると山本先生が


「はい、今日の練習はこれで終わりにします、冬休み中の練習だけど、今年は無しとして、新学期からまた、練習を始める事にしました、休み中だからと言って、怠けないでしっかりと練習しとくように、では、解散!」

そう言ったので、プレハブ小屋に行き制服に着替えて、真っ直ぐ帰る事にした。

冬の天気だからか、もうすっかりと夕焼け空になっていて、家に到着した頃には、もう暗くなっていた。

家に戻ると、母親の恵子さんが


「お帰り、舞、今日は孝之君とデートはしないの?」

そう言って来たので、俺は


「香織が孝之と遊びに行くって言っていたから、多分デートしてるんだと思うよ」


「あら、それでいいの?舞?孝之君、取られちゃうわよ?」


「別にいいよ、孝之が決める事だしね?」

そう言ってから、舞の部屋に行き、着ている制服を脱いで、温かい服装に着替える。

着替え終わった後、恵子さんの夕食の手伝いをする事にした。一時間ぐらいの調理で、出来上がったのはカレーだった。

大鍋一杯分作ったので、これ余るんじゃないか?と思ったけどその心配は杞憂だったらしく

父親の新三郎が、三杯もおかわりして、あっという間に完食してしまった。

カレーを食べ終わった後、恵子さんが「お風呂に入りなさい」と言ってきたので俺は、脱衣所に行き、着てる服を脱いで、風呂に入る事にした。最初にシャワーを浴びて、髪を洗う事にした。髪が長いので、ちょっと洗うのに苦労したけど、時間をかけて丁寧に洗って、体をスポンジで洗っていく。

洗い終わった後、湯船に浸かり、いつものグリーン色の湯船だったけど、今日は温泉の素?を入れたのか、乳白色をしていた。


「なんか、いい匂いがするけど、やっぱりこれ……入浴剤の影響かな?」

そう思いながら、結構長く入ってしまい、恵子さんに「いつまで入っているの?」とちょっと怒られたので、出る事にした。

用意された服を見てみると、下着がピンク色をしていた。これ、派手だろ……と思いながら、せっかく用意してくれたので下着を装着して、ピンク色のパジャマを着て、髪をタオルで乾かした。乾かし終わった後、自分の部屋に戻り、ノートに

「クリスマス当日、今日、孝之にデートに誘われたけど、断る事に成功、香織と一緒に出かけたと思うし、香織と孝之が旨く行けば、これはバットエンドになるのか?って感じだけど、今の所はよくわかっていない状態、今後の展開を見ながら、検討していこうと思う」こんな感じかな?」

そう書き終わった後、ベットに潜り、眠くなったので

寝る事にして、今日の一日が終了したのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る