第2話
部屋を出て、見張りがいないか確認した。よし、いないみたいだ。
とりあえず武器を調達したい。いくら不老不死といっても武器がなければアイツらに勝つことはできない。
何でもいい、とにかく相手を気絶させることさえできれば──。
そう思いながら進んでいると、廊下の角から声がした。
「(んでそのねーちゃんめっちゃでっけーのよ!思わず見とれちまってよ!)」
「(へえ、そのねーちゃん俺も知ってるぜ!あの子確かどっかの店で働いてたぜ、今度一緒にハグゥッ!)」
「(オイ?お前どうしホゲェッ!)」
武器なしで大ダメージを与えるにはカンチョーしかない。やりたくはなかったけど。ちょうど男の一人がバットの様なものを持っていたのでいただくことにした。
ステルスゲームの如く隠密行動をしている内に、大広間に辿り着いた。そこには複数の警備がいて、とても正面突破は無理そうだ。…いや、待てよ?
俺は不老不死。ましてや痛みも感じない。例え見つかって攻撃されても無視して突破できるのでは?
「そうと決まれば…!」
俺は地面を蹴り、勢いよく走り出した…!
警備に銃で足を吹っ飛ばされた。
知ってたよ畜生!
だが俺もここで引き下がるわけにはいかない。持ってたバットを追いかけてきたチンピラに向かってフルスイングした。
「(うおっ?!お前何持ってフグァ!)」
他の奴らも追いかけてきたが一人ノックダウンさせれば十分だ。今気絶させた奴を盾にして、殴り撃たれながらなんとか全員を気絶させた。
「あの主犯格はどこだ…?」
辺りを見回しても誰もいない。とりあえず戻り、作戦を練り直して───、
パァンッ!
「ウオッ!?」
銃声と共に突然頭がグワンと動き、そのまま倒れ込んでしまった。誰だ!
「(オイオイ、脳天を撃っても死なねーのかよ。どんだけ硬ぇんだよお前)」
「…!」
そこにいたのはおそらく主犯格であるリーダーだ。何を喋っているか分からないが雰囲気から見て多分アイツだ!
俺はバットを構えた。すると男は笑い出した。
「(ククッ、お前そんなバットで俺とやり合う気かよ?とんだアホだな!)」
「(お前は生き延びた後、大人しくここを出ときゃ良かったんだよ。俺に挑もうなんて馬鹿なこと考えやがって)」
男は銃を構える。
「(いいか?こっちには銃がある。バットでやり合おうなんざちゃんちゃらおかしいんだよ!)」
作戦はもう練り終わってる。
「(大人しく降伏すりゃあ俺の手下にしても──、)」
ダッ!
俺は勢いよく走り出した。
「(ケッ!俺に近づけると思うなよ!)」
俺の武器はバット一つ。そのバットを、
思いっきりぶん投げた!
「(…ッ!?)」
さすがの男もこれは予想できなかったようだ。俺はそのまま近づき、渾身の力を込めて奴をぶん殴った。
「(クッ…ア…)」
鼻血を噴き出し倒れる男。パーフェクトゲームだ。さて、ここからどうするか。
出口は未だに見つからない。探せばあると思うがその前に、
「ここの飯でも頂こうかなぁ」
腹が減ってるわけではないが、味覚が失われていないか調べてみよう。
そのまま大広間を後にし、食堂がないか探した。
「そういや、仮に味覚が残っていたとしても、感覚がないから食感とか感じられないよな…」
そんなことを考えながら歩いているとドアを見つけた。
「ひょっとしてあそこか!」
ドアを開けた。
そこにあるのは食堂じゃなかった。
いるのは女の子一人。
…女の子?
異世界転生して不老不死になったからって人生楽勝とか思ってんじゃねーよ!! @Warrior
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