Colors

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「いやあ、たまにはこういう昼ご飯もいいよな。お揚げをたっぷりの汁に浸して食べるのが美味い！」

【赤いきつね】

「分かる。学校で食べるってのがまたオツだよ。俺は今日は天ぷらの気分。つゆもしょっぱくて好きなんだよな」

【緑のたぬき】

「今日はデザート代わりのチョコも買ってあるしね」

「おっ、ブラックサンダーいいね」

【黒い稲妻】

「まあ、かくいう俺もチョコは買ってるんだけどね」

「うわっ、マジで！　やべえ、当たってるじゃん！」

【金のエンゼル】

「えーっ、なになに、エンゼル当たったの？」

「わー、すごーい！　ねえねえ、おもちゃ缶当たったら見せてね！」

「いいないいなあ！」

【黄色い声】

（くそっ、エンゼル羨ましいな……）

「さて、早く食べ終えて読書しようっと。今日はミステリーの気分だ」

「おっ、夢水清志郎シリーズの新刊だ！」

【青い鳥】

「お前は何読むの？」

「ふっふっふ、同じ探偵でも古典中の古典、ホームズだよ」

【緋色の研究】

「よお、２人ともミステリー読んでるのか」

「おっす。お前は全然興味ないよな」

「まあな。小説で読まなくてもいいかなって」

　＊＊＊

（アイツの金のエンゼル、羨ましい……アイツに内緒で家の場所を聞いたから、帰り道に奪い取ってやる……しかし結構遠くから通ってるんだな）

【みどりの窓口】

（よし、着いた。確かみずほのＡＴＭの辺りを通るって言ってたな……）

【青い銀行】

（あ、いた！　あの野郎、金のエンゼルなんか当てやがって……親も医者で大学病院って言ってたもんな、腹立つぜ）

【白い巨塔】

（よし、このまま後ろから近付いて殴ってやる……もう少し、もう少し……よし、今だ！）

「やめときなって」

「なっ！　お前、なんでここに！」

「その人、俺が頼んで変装してもらったニセモノだよ」

【赤の他人】

「君がエンゼルを当てた彼を嫉妬深そうに見てたからさ。何かしでかしそうだと思って、全く違う場所を教えたんだ」

「そ、そんな……」

【真っ赤なウソ】

「お前、なんでここまで俺の行動が読めたんだ……小説の探偵みたいだな……」

「ふふっ、ありがとう」

　＊＊＊

「やれやれ。今日も事件を未然に防いだな。まったく、ハーフとはいえ、ポアロの子孫ってのも荷が重いぜ」

【灰色の脳細胞】