どこまでも、やさしくてあたたかな時が、続いている

「兄さん」

冷えきった指先が、少年の熱を浄化していく。

「……アンリ」

いつの間に、眠ってしまったのだろう。ユールは身を起こし、“弟”の頬を撫でた。どこまでも、やさしくてあたたかな時が、続いている。

「寝ていなくて大丈夫?」

「私は平気だよ」

「僕が大人になったら兄さんの病気を治してあげるね」


2023/4/3

星降る夜にさよならを

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