博士、この星の外側には何があるのでしょう

最果ての領域に雨花が降る。

少年は籠いっぱいに花びらを集め、碧い小瓶に閉じ込めた。視界を横切る定期船は、選ばれた人類を乗せ、宇宙へ向かっていた。

「博士、この星の外側には何があるのでしょう」

「何もないよ。皆は月へ逃げたけど、あそこには何もない」

「そうですか」

「僕が欲しいものは、ね」


2023/4/4

星降る夜にさよならを

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る