行き場のない怒りを、虚ろを、憎悪を、絶望を、どこへ解き放てばいい

薔薇が燃えた日。私のこころも灰になった。潰れた右目はうまく機能しない。月に侵された左目が、漆黒の夜天をとらえた。行き場のない怒りを、虚ろを、憎悪を、絶望を、どこへ解き放てばいい。

「……金盞花」

砕け散った核の破片を拾いあげる。一縷の希望の灯がともる。

「貴女の器、すこし借りるわ」


2022/9/13

花ねむるサナトリウム

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る