ばらばらになった兄弟のひそやかな再会を知る者はいない
あの箱庭を飛び立つときは、なにもかも忘れている。
もう一度、出逢えたら、それはきっと、運命だ。ばらばらになった兄弟のひそやかな再会を知る者はいない。
「おかえり、兄さん。待っていたよ」
月あかりが降る夜に手をつないだことも、ホットミルクの甘さも、ながめた星の数も、ふたりだけの宝物だ。
2022/6/9
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