主人を失った僕には、標本たちの識別番号を解読する資格がない
少年の名は聞き取れなかった。主人を失った僕には、標本たちの識別番号を解読する資格がない。
「まあ、いいや。野良と呼んでよ」
「……ノラ」
淡青色の睛に菫の影がうつる。
「君、ご主人様はどうしたの。近くにいるの」
「逃げ出してきたんだ。環境が劣悪でね。君こそ、妙な標本だな。首輪はどうしたの」
2022/5/14
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます