僕のいのちを、半分あげよう

こおりついた核にやわらかな焔をともす。彼は、此処で潰えるべき存在ではない。

「……僕のいのちを、半分あげよう」

「君はどうなるの」

まどろみに沈んでいたはずの瞳に冬の夜天がうつりこむ。髪も、睫も、凍りついていた。

「そんな目をするな。平気だよ。活動時間が、ほんの少し、短くなるだけさ」


2022/5/15

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