少年に宿る核はすべてのいのちを花に変えてしまう
穢れひとつない白亜の床にあかい花びらが舞い落ちる。赤。紅。緋。少年の足元をうめつくすあかいろは、はるか頭上から降り注いでいた。
(嗚呼、……これは)
白い指先が柔らかな花弁にふれる。
(僕の、罪だ)
少年に宿る核はすべてのいのちを花に変えてしまう。
(兄さんは、どこだ。……どこにいる)
2022/4/26
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