僕が愛したのは花ではない
ずうっと一緒にいられると思っていた。僕が愛したのは花ではない。核の侵食は留まることを知らず、君の輪郭をゆるりと溶かしていく。淡く波打つ金の髪も、澄んだ碧の瞳も、白い喉笛も。触れた箇所から花びらがこぼれおちる。最後のひとひらが指先をかすめた。あとには何も遺らない。君のたましいさえも
2022/4/27
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