青に浸した指先は鉱玉のかけらのようにきらきらと煌いた

夢を見た。世界のことわりなど知らぬ愚かないきものが幸福を手にする夢を見た。

曇天が割れ、隙間からとろとろと濃紺の天が零れ落ちてくる。青に浸した指先は鉱玉のかけらのようにきらきらと煌いた。

「兄さん、星屑がまざってる」

「……本物かな」

兄の唇がそっと爪先にふれる。

「お前の血は、あまいな」


2022/4/25

Genetic Code

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