そこは僕の部屋ではないけれど、たしかに“僕”の居場所だった

いつだって君の目に“僕”が映ることはなかった。薬が効いている間は、対等でいられた。視界の端で蝶の群れが翅をひろげる頃合いに、君は僕の手をとって、部屋へ連れて行く。そこは僕の部屋ではないけれど、たしかに“僕”の居場所だった。このぬくもりがあれば、君の聲があれば、まだ息をしていられた。


2022/4/7

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る