生白い指先がやわらかな髪をなで、そっとくちびるに触れた

きしりと寝台が軋みをあげる。いつの間にか、我が物顔で寝台の半分を占領していた弟は、深い眠りにおちていた。

(ここは俺の部屋なのに)

身体を揺さぶっても、かるく頬をつねっても、反応はなかった。

「……誰かにみつかったらどうする」

生白い指先がやわらかな髪をなで、そっとくちびるに触れた。


2022/4/6

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